写真=Reve AI

セキュリティを主戦場としてこなかったテック企業が、同市場で存在感を強めている。MicrosoftやCiscoに加え、Databricks、Veeam Software、Cohesity、Dell TechnologiesなどもAIを軸に製品強化を進めており、米サンフランシスコで開催された「RSAC2026」でもAI関連のセキュリティ発表が相次いだ。

MicrosoftとCiscoは、それぞれソフトウェア、ネットワークを主力とする企業として知られるが、従来から一定規模のセキュリティ事業を展開してきた。足元では、両社ともAI時代を見据えた製品群の拡充を進め、事業領域をさらに広げている。

Databricksは、AIベースのサイバーセキュリティソリューション「Lakewatch」を投入し、セキュリティ市場への本格展開を始めた。生成AIを活用してセキュリティアラートを優先度に応じて自動整理し、専門家による脅威分析を支援する。今後は自動対応機能も追加する予定だ。

データバックアップを主力としてきたVeeam Softwareも、AI普及に伴うデータセキュリティリスクの低減を前面に打ち出している。データ分類や追跡の自動化に加え、AIシステムとAIエージェント向けのアイデンティティベースのガバナンス、フォレンジック検証を踏まえた復旧機能も提供する。

Cohesityは、Sophosのマルウェア検知エンジンを自社のバックアップソリューションに直接統合した。バックアップデータに潜む脅威を検出し、復旧時の再感染を防ぐ狙いだ。

Dell Technologiesは、次世代のサイバー脅威に対応するため、保護、検知、復旧の各領域を強化した新たなセキュリティ設計とサイバーレジリエンス機能を打ち出した。

RSAC2026では、AIをテーマとした発表が相次いだ。Akamaiは、「Guardicore Segmentation」プラットフォームにAIベースの機能を追加し、ハイブリッド/マルチクラウド環境におけるゼロトラストセキュリティを強化すると発表した。

SentinelOneとSnykも、それぞれAIエージェントのセキュリティを対象とする新ツールを公開した。AI活用の広がりを背景に、AIエージェント保護をめぐる競争も本格化している。

このほか、AIとセキュリティをめぐる企業や制度の動きも広がっている。

Fasooは、米国法人を現地のAI専門企業と合併し、グローバルAI市場への展開を本格化する。Cho Gyugon代表は、Fasooがこれまでグローバルのデータセキュリティ・管理市場をリードしてきたとしたうえで、最近は「顧客のAXを支援する企業」への転換を進めており、今回の米国法人の合併もその一環だと説明した。

そのうえで、AI、データ、セキュリティ分野におけるFasooの競争力が、Consilixの専門人材とコンサルティング能力と結び付くことで、SymbologicのAI市場開拓に弾みがつくとの見方を示した。

AI・クラウド企業のMegazoneCloudは、Check Point Softwareとの間で、AIネイティブおよびクラウドセキュリティ市場の開拓に向けた戦略的協力に関する公式パートナーシップを締結した。

SK shieldusは、試験・認証機関のTUV SUD Koreaと連携し、海外進出企業によるOT/ICSセキュリティコンプライアンス対応の支援に乗り出す。

RSUPPORTは、アンチランサムウェア企業Everyzoneと日本の総販売代理店契約を締結した。これによりRSUPPORTは、日本市場で「White Defender」の営業、販売、流通、マーケティングを統括する。

Check Point Softwareは、企業がガバナンス、リスク管理、コンプライアンスを初期段階から統合しつつAI導入を加速できるよう設計した新サービス「Secure AI Advisory Service」を発表した。

Googleは、量子コンピュータによるセキュリティ脅威に備え、2029年までにポスト量子暗号(PQC)体制へ移行する目標を公表した。

ソフトウェアサプライチェーンセキュリティ企業のLabradorLabsは、総額145億KRW規模のシリーズB資金調達を実施した。

完全自律型のAIレッドチームツール「PentAGI」もオープンソースとして公開された。GitHubで8200件超のスターを集め、サイバーセキュリティ業界の注目を集めている。

制度面でも動きがあった。国家人工知能戦略委員会は、Ciscoとの協力を強化する方針を示した。Ciscoを含むグローバルテック企業とのパートナーシップを拡大し、AI中核人材の育成、セキュリティインフラの高度化、地域AIエコシステムの拡大を進めるとしている。

また、最高情報セキュリティ責任者(CISO)を役員級で指定することを義務付ける「情報通信網利用促進および情報保護等に関する法律」改正案が24日、国務会議を通過した。義務適用の基準は施行令で定められる。

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