AI需要の拡大でCPUの需給も逼迫している。写真=Shutterstock

世界的なAIブームを背景にコンピューティング需要が急増し、CPU市場で需給逼迫が強まっている。半導体メーカーがサーバー向けプロセッサの生産を優先する一方、PC向けCPUは供給不足が深刻化。価格上昇に加え、納期の長期化も広がっている。

米ITメディアのTechRadarは25日(現地時間)、Nikkei Asiaなど複数メディアの報道を引用し、CPU市場で10〜15%の価格上昇が見込まれていると報じた。IntelとAMDは、それぞれ2026年3月と4月から全CPU製品の納入価格を引き上げる方針を顧客企業に伝えたという。

価格だけでなく、納期も大幅に延びている。これまで数週間程度だった納品までの期間が、足元では数カ月単位に長期化するケースも出てきた。

ゲーミングPCメーカー幹部の話として、2026年第2四半期にはPC向けCPUの供給がさらに細るとの見方も伝えられている。主要半導体メーカーが採算性の高いAIサーバー向けCPUの生産に注力し、相対的にPC向けの割り当てを減らしているためだ。

業界では、今回のCPU不足は過去のメモリ半導体の供給混乱に匹敵するほど深刻だとの声も出ている。関係者は、価格を積み増しても必要量を確保しにくい状況にあるとして、供給難が日増しに悪化していることに懸念を示した。

メーカー各社がより高い利益を見込めるデータセンター向け販売を優先することで、個人向け市場でも品薄感が強まるのは避けにくいとの見方が出ている。

影響はCPU以外の主要部材にも広がっている。Apple Storeでは、SanDisk製1TB外付けSSDの価格が約3倍に上昇したという。

さらに、ハイエンド携帯ゲーム機メーカーのAYANEOは、ストレージとRAMの価格急騰を受け、携帯型ゲーム機「Next 2」の予約販売を停止した。部材高を反映すると端末価格が約4000ドル(約60万円)に達し、採算確保が難しいと判断したためで、事実上の発売見送りとなったと伝えられている。

世界のPCメーカーでも、完成品の値上げ観測が具体化しつつある。ASUSは、次の四半期に台湾市場でPC価格が25〜30%上昇するとの見通しを示しており、この流れが世界市場に波及する可能性もある。

Intelは最近、Arrow Lakeの改良版として比較的手ごろな価格帯の個人向けCPUラインアップを公開した。ただ、足元の部材需給と価格上昇基調を踏まえると、市場への供給量は限られるとの見方が強い。

専門家は、CPUやストレージを含むPC部材市場の先行きは厳しいとみている。PCのアップグレードや新型ノートPCの購入を検討している消費者には、追加の値上がりが進む前に購入を判断した方が有利だとの指摘も出ている。

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