企業のソフトウェア支出が、従来のSaaS中心から生成AI中心へと急速に移りつつある。予算配分の見直しが進む中、OpenAIが支出額で首位を維持し、AnthropicやAIコーディングツール「Cursor」が大きく伸びている。
TechRadarが25日付で報じた分析によると、企業のソフトウェア支出は生成AIを軸に再編されつつあり、OpenAIとAnthropicがその恩恵を受けている。
企業の関心は、AIを導入するかどうかという段階から、どのAIベンダーにより多くの予算を振り向けるかへと移っている。生成AIが試験導入の枠を超え、業務インフラとして定着し始めたことを示す動きだ。
約180億ドル規模の企業支出を分析したところ、中堅・大企業のソフトウェア支出は前年比58%増となった。ただ、市場全体が単純に拡大しているというより、既存ソフトウェアからAI関連ツールへの予算の再配分が進んでいる側面が大きい。
こうした流れの中で、特定企業への集中も鮮明になっている。Anthropicは428%増を記録したほか、AIコーディングツールのCursorは600%超増となり、開発組織全体に急速に浸透している。
一方、OpenAIは成長率こそやや鈍化したものの、大口顧客からの支出を安定的に取り込み、市場での優位を維持しているという。
生成AI向け支出が急増する半面、従来型SaaS企業の存在感は相対的に後退している。企業によっては、SaaS支出が横ばい、あるいは減少に転じた。
とりわけ中小企業では、SaaS支出が約8%減少した。AI連携が弱い既存システムを縮小し、生産性向上に直結するAIツールへ切り替える動きが広がっていることをうかがわせる。
価格設定にも変化が出ている。AIベースのサービスは従来型ソフトウェアより高めの価格設定を打ち出しており、値上げ率は20〜37%に達する。
このため企業は既存ソフトの契約を見直し、限られた予算を生成AI中心に再配分する戦略を取っている。
業界では、こうした動きは一時的な変化ではなく、構造転換だとの見方が出ている。生成AIが単なる機能追加ではなく企業運営の中核要素となり、少数のAIベンダーに予算が集中する構図が強まっているためだ。
生成AIを軸とした予算再編が加速すれば、従来のSaaS企業の市場シェアは今後さらに縮小する可能性がある。