写真=スコット・ガスリー氏(Microsoftのクラウド・AI担当上級副社長)

Microsoftは3月26日、ソウルのCOEXでイベント「Microsoft AI Tour Seoul」を開催し、韓国企業のAI活用を支援する新たな施策を発表した。Copilotの新機能に加え、新たな統合プラン「Microsoft 365 E7」を投入し、AIを軸とした業務変革を後押しする。

同社は今回、韓国での「フロンティア変革」を加速する具体策を示した。フロンティア変革は、AI導入による単なる生産性向上にとどまらず、事業運営そのものを見直し、持続的な成長につなげる取り組みを指すとしている。

中核に据えるのは、AIへのアクセス拡大だ。MicrosoftはAIエージェントを活用したソリューションを通じ、韓国企業が測定可能な成果を上げられるよう支援する方針を示した。

あわせて、AIエージェント機能を強化したCopilotの最新アップデートも紹介した。「Wave 3 of Microsoft 365 Copilot」は、Work IQを基盤に、Word、Excel、PowerPoint、Outlookなどの主要アプリで、ユーザーごとの業務コンテキストに応じたパーソナライズされたAIエージェント体験を提供するという。

「Copilot Cowork」は、ユーザーが目標を示すと、Work IQをもとにメールや予定、文書などMicrosoft 365全体のデータを横断的に活用し、複数ステップの業務を計画し実行まで支援する機能だ。フロンティアプログラム利用者に優先提供している。

Copilotの導入状況についても説明した。同社によると、Fortune 500企業のうちCopilotを採用した企業の比率は90%を超えた。有料利用者数は前年から160%以上増加し、日次アクティブユーザー数は10倍に拡大した。3万5000人以上の大規模導入企業も3倍に増えたとしている。

また、5月1日には新たな統合エンタープライズプラン「Microsoft 365 E7(フロンティアスイート)」を投入する。既存のE5プランにCopilotとAgent 365を組み合わせた製品群で、Entra、Defender、Intune、Purviewなどの主要セキュリティソリューションも含む。セキュリティを確保しつつ、AIエージェントを活用できる環境を提供する狙いだ。

このほか、フロンティア変革を進めるための「フロンティア成功フレームワーク」も公開した。柱は、(1)従業員体験の強化(2)顧客エンゲージメントの刷新(3)ビジネスプロセスの再設計(4)イノベーションの加速――の4点。組織が実証実験の段階を超え、実際の事業価値につなげることを目指すとしている。

Microsoftのクラウド・AI担当上級副社長、スコット・ガスリー氏は、「フロンティア変革は、初期のAI導入段階を超え、新たな成果を生み出し、事業運営を根本から再設計する中核エンジンになる」と述べた。その上で、AIによる推論や創造を活用したソリューションを通じ、韓国企業がAI革新を主導する企業へ成長できるよう支援する考えを示した。

韓国Microsoftのチョ・ウォヌ代表は、「AI変革は導入するかどうかではなく、いかに測定可能な事業成果につなげるかが重要だ」と強調した。今回紹介した事例やセッションを通じ、新たな事業価値の発掘や運営効率の向上、組織競争力の強化につながる実行重視のロードマップを得てほしいと語った。

イベントでは、エージェンティックAIの設計や拡張戦略を扱うブレイクアウトセッションのほか、ハンズオン形式のワークショップ、インタラクティブブースなどを実施した。参加者は、自社業務への適用を見据えた実践的な活用法を探った。

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