NCsoftの第29期定時株主総会。写真=NCsoft

NCsoftは3月26日に開いた定時株主総会で、社名を「NC」に変更するとともに、中長期の成長戦略をあらためて示した。一方で、総会では配当の減額や役員報酬の増額、自己株式の処分を巡って株主から厳しい質問が相次ぎ、株主還元のあり方が大きな論点となった。

議長を務めたパク・ビョンム共同代表は営業報告で、「持続可能な成長に向け、事業ポートフォリオの再編と体質改善を進めてきた。これまで示してきた戦略が、具体的な成果として表れる段階に入った」と述べた。

総会では、財務諸表および連結財務諸表の承認、定款の一部変更、社外取締役の選任、監査委員となる社外取締役の選任、取締役報酬限度額の承認、自己株式の保有・処分計画書の承認の6議案を上程し、いずれも原案通り可決した。

社名変更は、「NCsoft」から「NC」への移行を正式に完了させるもの。2020年のCI変更以降進めてきたブランド刷新を、制度面でも整える狙いがある。

パク共同代表はあわせて、今年から本格的に進める3つの成長戦略を説明した。1つ目は既存IPの価値最大化だ。東南アジアへの進出や中国、ロシアなど海外市場の拡大、スピンオフ作品の投入を通じ、既存IPの売り上げ拡大を目指す。会社側は、昨年投入した「Lineage2M」と「Lineage Classic」により、IPベースの売上高が伸びたと説明した。

2つ目はグローバル市場向けの新規IP拡充だ。「Sinder City」「Horizon Steel Frontiers」などを含む約10タイトルを自社開発しており、2028~2029年までのラインアップを準備しているという。サブカルチャーやシューティングなど、これまで手掛けてこなかったジャンルについては、外部スタジオとの協業やパブリッシング権の確保も並行して進める。新作開発では、客観的な指標に基づく意思決定体制を導入し、完成度を高める方針も示した。

3つ目はモバイルカジュアル事業の拡大だ。最近買収したモバイルカジュアル開発会社と、NCのデータ分析、ライブサービス運営、AI技術を連携させ、特定IPのヒットに依存しない収益構造の構築を目指す。追加買収の可能性も否定しなかった。

AI活用については、子会社のNC AIとは別に、本社内に「NC生産性革新本部」を新設し、AI技術を全社の業務プロセスに適用していく方針を明らかにした。

一方、議案審議では配当の減額と役員報酬の増額に株主の関心が集中した。年間配当は1株当たり1150ウォンで、前年度の1460ウォンから減少した。株主の1人は、「キム・テクジン共同代表の報酬は48%増え、イ・ソング上級副社長は賞与12億ウォンを含め計25億ウォンを受け取った」と指摘。営業利益が161億ウォンにとどまる中で、なぜ減配と報酬増額が同時に起きたのかとただした。

これに対し、ク・ヒョンボム最高執行責任者(COO)は、役員報酬の仕組みについて「短期・長期の成果報酬に加え、特定IPの大きな成功に対するDPI報酬を複数年に分けて支給する構造だ」と説明した。イ・ソング上級副社長については、「Aion2だけでなく、既存IPへの貢献も大きく、短期的な成果が一時に反映された」と述べた。キム・テクジン共同代表に対するDPI報酬は近く終了する予定だとした。

自己株式の活用を巡っても質問が相次いだ。ク・ヒョンボムCOOは、従業員向けの自己株式割当について「対象は役員ではなく現場の社員だ」と説明。役員と本社人員を減らす構造改革の過程で負担を担った社員の動機付けが目的だとした。今回活用する自己株式について、パク共同代表は、会社が任意に買い入れた株式ではなく、事業分割時に反対株主が株式買取請求権を行使したことで取得した株式だと補足した。

定款の一部変更のうち、自己株式の「保有および処分」に関する根拠条項の新設には反対意見も出た。ある株主は、「2015年の経営権紛争時、自社保有株をNetmarbleに売却した結果、株価が3カ月で25万ウォンから18万ウォン台に下落した前例がある」と指摘し、今回の議案が経営権防衛の手段として使われる可能性に懸念を示した。

これに対し、パク共同代表は「改正商法では、自己株式を処分する場合、取締役会の決定後に必ず株主総会の決議を経なければならない。条項が新設されても、取締役会が恣意的に処分できるわけではない」と反論した。さらに、「2027年の定時株主総会までに具体的な処分計画が承認されなければ、商法に基づき自動消却される。来年まで特段の計画がなければ、大半は消却される見通しだ」と述べた。

役職員報酬を目的とした自己株式の活用を巡っては、株主還元を行わず社員報酬にだけ使うのであれば株主価値の観点から納得しにくいとして、追加の自己株式取得計画を問う声も上がった。パク共同代表は、「現時点で自己株式取得の計画はないが、今後の株主還元策の一環として、自己株式取得がより効果的と判断すれば検討し得る」と答えた。社員割当の対象外となった自己株式についても、消却される可能性が高いとした。

総会終盤には、Lineage IPの利用者数の減少を懸念する質問も出た。これに対し、パク共同代表は「Lineage IPの7タイトルを合算した実利用者数は150万人超を維持しており、売り上げも落ちていない」と説明した。

ク・ヒョンボムCOOはまた、Aion2の自社決済比率が80%に達すると明らかにした。「主要モバイルゲームの自社決済比率が20~40%程度であることを踏まえると、収益性の改善に大きく寄与している。今年も自社決済の比率は継続的に拡大する見通しだ」と述べた。

NCは、2014年以降、毎年連結当期純利益の30%を現金配当に充てる方針を維持していると説明した。今年は三成洞ビル売却に伴う一時的な損益を除いた原資の30%を配当原資として算定し、配当総額は223億ウォン規模とした。会社側は従来の配当方針を維持したとの立場だが、今回の総会では配当性向そのものより、実際の配当水準や役員報酬、自己株式活用の優先順位を巡る株主の不満がより鮮明となった。

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