LG Electronicsは3月25日、2026年型のOLEDテレビ新製品を発表した。歴代最高の明るさと低反射技術を前面に打ち出し、プレミアムテレビ市場での主導権維持を狙う。中国メーカーがOLED市場に積極展開しない中、供給構造の希少性も差別化要因として訴求する。
同社はソウル市ヤンピョンドンの「グラウンド220」で新製品説明会を開き、「The Next OLED」ラインアップを公開した。
新ラインアップの中核となるのが、「Hyper Radiant Color」技術だ。第3世代のα11 AI Processor 4K Gen3と、超低反射技術「Reflection Free Premium」を組み合わせ、一般的なOLEDテレビ(B6モデル比)で最大3.9倍の明るさを実現したとしている。
第3世代α11 AI Processor 4K Gen3は、AI性能を5.6倍に高めたといい、明るさや色再現性を強化した。「AI Dual 4K Upscaling」により、低画質コンテンツを4K画質へ変換する機能も備える。
反射低減でも従来製品との差別化を図った。従来のアンチグレア技術が光を散乱・分散させることで画質低下を招くのに対し、反射を従来の半分水準に抑えたという。
この「Reflection Free Premium」は、グローバル試験・認証機関 Intertekの認証を業界で初めて取得した。
音響面では「Dolby Atmos FlexConnect」をサポートし、スピーカーの設置位置に左右されにくい立体音響を実現する。ホームオーディオシステム「LG Sound Suite」と連携することで、映画館のような空間表現を提供するとしている。AIテレビ機能も強化した。
スマートテレビ向けプラットフォーム「webOS26」には、Microsoft CopilotとGoogle Geminiを搭載した。ユーザーが複数のAIサービスから選べる検索環境を整えた。また、アートコンテンツサービス「LG Gallery+」では、生成AIを使って絵や背景音楽を制作し、鑑賞できる。
同日には、2つの新たなフォームファクターも公開した。無線ウォールペーパーTV「LG OLED evo W6」は厚さ9mm台で、パネルやパワーボード、スピーカーなどの部品を本体に内蔵した。
4K・165Hzの映像と音声を損失なく無線伝送する技術も採用した。CES 2026では、複数の海外メディアから最高製品賞を受けたという。
「MicroRGB evo」は、赤・緑・青のLED光源と第3世代α11 AI Processor 4K Gen3を組み合わせたプレミアムLCDテレビだ。トリプル100%カラー認証も取得した。
韓国内の出荷価格は、65型が329万ウォン(B6)〜379万ウォン(C6)、77型が569万ウォン(B6)〜870万ウォン(G6)、83型が790万ウォン(B6)〜1300万ウォン(G6)。無線ウォールペーパーTV(W6)とMicroRGB TVは、今年上半期に発売する予定だ。
◆OLEDの年間供給は1000万台未満 高価格帯を支える構造的希少性
キム・ソンピル氏(LG Electronics MS事業本部 ディスプレーCX担当・常務)は同日の説明会で、OLEDの価格競争力を巡る見方を示した。キム氏は、世界でテレビ向けOLEDパネルを供給する企業はLG Displayと国内競合を合わせて2社だけだと説明し、「両社を合わせた年間生産能力も1000万台に満たない」と述べた。
これは、年間約2億台とされる世界のテレビ販売台数の5%にとどまる計算だ。キム氏は「OLEDの価格が急速に大衆価格帯まで下がることはない」と強調した。
原価低減の方向性についても説明した。パネル等級を下げるのではなく、独自の電力回路(DPC)チップの高度化によって発熱を減らし、アルミニウムなど放熱素材の使用量を減らすことでコストを下げる考えだ。
キム氏は「品質を下げて価格を下げるのは実力ではない」としたうえで、「電力効率が高まるほど素材をより少なく使えるため、今後も原価低減の余地はある」と述べた。
TCLとSonyの協業の動きについても言及した。キム氏は「TCLはハードウェアの能力はあるが、画質制御チップが弱い。Sonyは自社チップを持たず、外部チップにアルゴリズムを載せる方式だ」と指摘した。
そのうえで、「LG Electronicsは自社チップに10年以上にわたりOLED最適化アルゴリズムを蓄積してきた。画質制御で優位性を維持している」と強調した。