2025年末時点の韓国デジタル資産市場の時価総額は87.2兆ウォンとなり、同年6月末の95.1兆ウォンから8%減少した。下半期の1日平均取引額も5.4兆ウォンと、上半期の6.4兆ウォンから15%縮小した。一方で、口座数と預託金は増加しており、市場参加の裾野は引き続き広がっている。
韓国内の取引所で開設された口座数は1113万口座で、6月末の1077万口座から3%増えた。ウォン預託金も8.1兆ウォンと、同期間の6.2兆ウォンから31%増加した。
制度面では、デジタル資産所得税を巡る議論が再び活発化している。野党「国民の力」は所得税廃止を党方針として正式化し、関連法整備を急ぐ構えだ。25日に開催したデジタル資産課税制度の改善に関する懇談会では、来年予定されるデジタル資産所得税の賦課を撤回する方針を示した。政府・与党主導で2027年1月1日から投資所得課税が予定される中、制度の行方はなお流動的だ。
個別銘柄ではXRPを巡る見方が強弱に分かれている。2021年に急騰したCardano(ADA)と同様の値動きをたどり、7800%上昇し得るとする強気の分析が出る一方、出来高の減少や上値余地の限界を指摘する声もある。
Rippleの最高技術責任者(CTO)、デイビッド・シュワーツは、いわゆる「XRP100ドル到達説」に慎重な見方を示した。市場参加者がその水準を本気で織り込んでいるなら、価格はすでに大きく上昇していたはずだとし、ビットコインを含む資産価値は市場の実質的な信認に支えられるとの考えを示した。
一方で、長く下落チャネルにあったXRPが下落局面を脱し、上昇トレンドに転じたとみる向きもある。資産運用会社Grayscaleは、ビットコインとイーサリアムに偏りがちな機関投資家のポートフォリオを多様化する候補としてXRPを挙げた。決済用途にとどまらず、機関投資家向け資産としての位置付けが見直されつつあるとの見方だ。
ビットコインを巡っては、個人投資家主導の投機色が強かった過去と比べ、市場構造が変わりつつあるとの指摘が出ている。ウォール街の機関投資家が巨額資金を運用する現在は、かつて頻発した「半値」規模の急落は起きにくいという見方だ。厚みのある資本流入が極端な変動を吸収しているとの分析もある。
地政学面では、イラン情勢を巡るリスクの高まりを受け、伝統的な安全資産とされる金の価格が大きく下落したことが市場の関心を集めた。こうした中でも、ビットコインは機関投資家資金を背景に相対的な耐性を示し、7万ドル前後の水準維持が焦点となっている。10年以上動きのなかった「サトシ時代」のウォレットが相次いで動いたことも、市場の緊張を高める材料となった。
米国では、暗号資産関連法案「クラリティ法」を巡る先行きが不透明なままだ。議会での協議が停滞する一方、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)が打ち出すガイドラインが、市場の実質的なルールとして浮上している。立法の遅れを行政対応が埋める構図となり、法案そのものの存在感が薄れる可能性も指摘されている。
その間にも、ウォール街はブロックチェーンを軸に既存金融の取り込みを進めている。SECはナスダック上場株のトークン化を承認し、伝統金融と暗号資産の境界は一段と薄れた。ステーブルコイン保有者への利息付与を巡っても、米議会は一定の合意点を見いだしたとされ、包括的な暗号資産規制の議論が再び前進する可能性が出ている。
暗号資産市場の生態系も急速に再編が進む。Binanceは競争力を失ったアルトコイン8銘柄の上場廃止を決め、発表直後に関連銘柄は急落した。ユースケースの乏しい銘柄を取引所が選別する流れが鮮明になった格好だ。
Solana財団の代表は、従来型のブロックチェーンゲームモデルは行き詰まったとの認識を示した。トークン報酬で利用者を呼び込む方式は限界を迎えており、市場は次の段階への転換を迫られているとした。
取引現場では、AIの存在感も増している。価格が秒単位で変動する暗号資産先物市場では、人間の感情や裁量に依存する手動取引の比重が低下し、大量データをリアルタイムで処理して売買を執行するAIアルゴリズムボットの活用が広がっている。市場参加者の構成だけでなく、売買の前提そのものが変わり始めている。