銀行業界で、金曜の早帰りを柱とする「週4.9日制」の導入が相次いでいる。勤務時間の短縮は働き方改革にとどまらず、店舗の運営体制や顧客接点の見直しにも波及しており、各行は無人店舗やデジタル拠点の拡充を急いでいる。
NH NongHyup Bankは27日から、毎週金曜日の退勤時間を従来の午後6時から午後5時に1時間前倒しする。窓口の営業時間は午前9時から午後4時までで、従来通り据え置く。
これに先立ち、IBK Industrial Bank of KoreaとKB Kookmin Bankが週4.9日制を導入した。Shinhan Bank、Hana Bank、Woori Bankなど主要銀行でも、年内導入の可能性が高いとみられている。
週4.9日制は、昨年10月に全国金融産業労働組合と金融産業使用者協会の交渉で合意された制度だ。週5日勤務を維持しつつ労働時間を一部短縮する仕組みで、各行はワークライフバランスの改善と業務効率の向上を両立させる狙いを掲げる。
一方で、勤務時間の短縮は、そのまま人員運用の制約につながる。窓口の営業時間を維持したまま従来と同じ体制で店舗を回すのは難しくなっており、各行は店舗機能と運営方式の見直しを進めている。
焦点となっているのは、時間帯と機能の切り分けだ。従来のように同じ営業時間内に同じ人員が一律に対応する形から、時間帯やチャネルごとに役割を分担する運営へと移行が進む。
KB Kookmin Bankは、午後6時まで営業する「9 To 6 Bank」の拡大を通じて、退勤後の金融需要の取り込みを狙う。職員の勤務を午前組と午後組に分けることで、労働時間を抑えながらサービス提供時間を広げる仕組みだ。
Shinhan Bankが展開するデジタルラウンジやAIブランチも同じ流れにある。単純に営業時間を延ばすのではなく、店舗機能を細分化して運営効率を高める戦略といえる。
デジタルラウンジは、平日午前9時から午後9時までの「イブニングプラス」と、土曜午前9時から午後5時までの「土曜日プラス」で運営する。AIブランチは外貨両替やカードの新規発行など計64業務に対応し、土曜・祝日を含む365日、午前9時から午後8時まで稼働する。
Hana Bankは、平日は午後9時まで営業する「Hana 9時ラウンジ」を導入した。ビデオ通話相談を基盤とする無人店舗で、営業時間外でも主要な金融業務に対応できるようにした。対面窓口の一部機能をデジタルチャネルに移した事例とみられる。
Woori Bankは「デジタルエクスプレス」として、デジタルデスクとキオスクを備えた無人店舗を展開している。営業時間は平日が午前9時から午後9時まで、週末と祝日は正午から午後6時まで。
NH NongHyup Bankも、弾力的な営業時間の店舗と無人店舗の拡大を並行して進めている。「アーリーバンク」「アフターバンク」で来店時間を分散させる一方、AIベースの無人店舗「NHデジタルステーション」に単純業務を移し、非対面チャネルへの転換を進めている。
各行が勤務時間の短縮と並行して店舗運営を多様化するのは、人員効率と顧客接点の維持を両立するためだ。モバイル金融の利用は広がっているものの、融資相談や高齢層向けサービスでは、なお対面チャネルへの需要が根強く残っている。
この結果、週4.9日制は単なる労働制度の変更にとどまらず、銀行店舗の役割そのものを見直す契機となっている。対面窓口は相談業務中心へ、定型業務はデジタルチャネルへ移す構造転換が本格化している。
金融業界関係者は「勤務時間の短縮によって人員運用の見直しは避けられず、店舗運営の構造も変わりつつある」としたうえで、「効率性と顧客利便を同時に確保するための転換局面だ」と説明した。