クリフトン・コルリンズ氏に関連するとされるビットコインの一部が、約12年ぶりに動いた。Arkham Intelligenceは500BTCが新たなアドレスに移されたことを確認しており、長年アクセス不能とみられていた休眠ウォレットに当局がアクセスした可能性が取り沙汰されている。
ブロックチェーン専門メディアのCryptopolitanが25日、報じた。コルリンズ氏に関連するウォレットは長期間にわたりアクセスできない状態が続いており、2017年の同氏逮捕後には秘密鍵も失われたとみられていた。
Arkham Intelligenceによると、移動が確認された500BTCの価値は現在約3550万ドル(約53億円)。コルリンズ氏に関連する12のアドレスには、合計で約4億2600万ドル(約639億円)相当のBTCが保管されているという。ビットコインは単一アドレスではなく複数のアドレスに分散しているため、大半はなお休眠状態にある可能性が高い。
移動したコインはCoinbase Custodyのアドレスに送られた。同アドレスは、法執行機関が押収した資産の保管に使われるものとされる。
コルリンズ氏の逮捕当時は、所持品とともに秘密鍵も失われたと伝えられていた。一方でアイルランド警察は、ビットコインは失われておらず、暗号の解析を通じてウォレットにアクセスしたと公表している。一般にビットコインの暗号そのものを解読することは困難とされるが、2011年に作成されたウォレットであれば、ウォレットファイルへのアクセス経路が見つかった可能性があると説明した。
専門家の間では、総当たり攻撃(ブルートフォース)や、不適切な鍵生成サービスの利用が要因だった可能性が指摘されている。Cryptopolitanはこのほか、コルリンズ氏が意図的に欠陥のある鍵生成サービスを使い、法執行機関が秘密鍵を特定しやすい状態にしていた可能性や、第三者が秘密鍵を保有していた可能性も伝えた。
今回の動きは、古いウォレットでは条件次第でアクセス手段が見つかる余地があることを示唆している。暗号資産の保管におけるセキュリティの限界を浮き彫りにすると同時に、法執行機関が暗号解析技術を使ってBTCを回収し得ることを示す事例として注目される。ユーロポルはこのほかのBTCも管理しており、一部は完全にアクセス可能な状態で保管されているという。