Teslaが、次世代ロボタクシー「Cybercab」に新たなドアレバーを採用したことが分かった。通常時は電子式で作動し、緊急時には電源がなくても機械式にドアを開けられる2段階構造で、非常時の脱出性向上を狙う。
米電気自動車メディアのInsideEVsが24日(現地時間)付で報じた。公開されたCybercabの車内では、従来のボタン式に代わり、上に引き上げて操作する新型ドアレバーが確認されたという。
Teslaはこれまで電子式ボタンを広く採用してきたが、非常時に作動しないおそれや、操作方法が分かりにくい点が安全面の課題として指摘されてきた。今回の新レバーは、そうした問題への対応策とみられる。
■ 事故を受けドア設計に批判
Teslaのドアハンドルや開閉機構を巡っては、これまでも安全性への懸念がたびたび浮上していた。Bloombergによると、既存のドアハンドル設計は複数の負傷事故との関連が指摘され、昨年だけでも少なくとも15件の死亡事故に関係したと報じられている。
事故などの緊急時に、乗員が直感的にドアの開け方を把握できず、被害が拡大したとの指摘も出ていた。
Teslaは従来、非常時に備えて機械式レバーを別の位置に設ける方式を採っていた。誤操作による窓ガラスやトリムの損傷を防ぐ狙いがあったためだ。ただ、後席では非常用解除装置がスピーカーグリルの裏やドアポケット下部のパネル内に隠されており、見つけにくく使いづらいとの声が上がっていた。
■ 電子式と機械式を1本に集約
こうした安全性を巡る議論を踏まえ、TeslaはCybercabで、電子式と機械式の解除機能を1本のレバーにまとめた2段階構造を初めて採用した。
YouTubeチャンネルのKim JavaやJosh Westが公開した映像によると、レバーを軽く引くと通常の電子式ドアとして作動する。一方、非常時にさらに強く引き込むと、電力供給の有無にかかわらず機械的にラッチが外れ、ドアを開けられる仕組みだという。
これは、Teslaのチーフデザイナー、フランツ・フォン・ホルツハウゼンが昨年予告していた仕組みの実装例とみられる。同氏は、緊急時でも普段と同じ位置のレバーをより強く引くだけで機械式解除ができるようにし、直感的に脱出できる設計を目指していると説明していた。
また、視覚障害者や暗所での利用にも配慮し、レバー表面には点字で「Open」と表示している。
■ 既存モデルへの展開は不明
この新ドアレバーがCybercab専用なのか、Model 3やModel Yなど既存の量産車にも広げるのかは、現時点では明らかになっていない。Teslaは、このラッチ設計を新たな標準仕様とするかどうかについても言及していない。
一方で業界では、規制対応や安全性向上の観点から、今後ほかのモデルにも展開される可能性があるとの見方が出ている。
今回の見直しは、デザイン性だけでなく、非常時の避難しやすさという基本的な安全価値を改めて重視し始めた動きといえそうだ。Tesla車に初めて乗る利用者の戸惑いを減らし、緊急時の安全性向上につながるかが注目される。