画像=Hark

米AIスタートアップのHarkが、AIモデルとハードウェア、ユーザーインターフェースを一体で設計する新たな製品戦略を打ち出した。スマートフォンや既存アプリにAI機能を載せるのではなく、AIを前提に端末やUIをゼロから設計し、「完全なパーソナルAI製品」の実現を目指す。米TechCrunchが24日(現地時間)付で報じた。

同社は、モデル、ハードウェア、UIを単一のシステムとして設計する方針を掲げる。従来のデバイスにAI機能を後付けするのではなく、製品全体をAI中心で再構成する考え方だ。

構想するシステムは、ユーザーの日常的なデータを継続的に学習し、長期記憶として保持する。音声と視覚を軸にリアルタイムで対話し、指示に応答するだけでなく、文脈を理解しながら予測と適応を重ね、利用者ごとに最適化された支援を提供するという。Harkは、SF作品に登場する秘書役のように人を理解し、先回りして支えるAIを構想している。

創業者のブレット・アドコック氏は社内メモで、「現在のAIは十分に知的とは言えず、私たちが使う機器もAI中心には設計されていない」と指摘した。そのうえで、「予測し、適応し、人に配慮できるシステムへ進むべきだ」とし、「人のように聞き、話し、長期記憶を維持する完全にパーソナライズされたAIを作る」と述べた。

Appleを1月に退社してHarkに加わったプロダクトデザイン責任者のアビドゥル・チョウドゥリー氏も、個人最適化された体験を中核価値に据える考えを示した。同氏は、将来のユーザー体験は一人ひとりに最適化されたサービス提供になるとし、文書作成や情報共有、予約といった反復的な日常業務の自動化によって、利用者の負担を減らせると説明した。

一方で、注目を集めるウェアラブルAI機器については懐疑的な見方を示した。人とAIの間に別のデバイスレイヤーを挟む方式には限界があり、より自然で統合されたインターフェースが必要だとしている。

Harkは現在、約45人のエンジニアとデザイナーを擁する。MetaのAI研究者出身者のほか、AppleやTeslaの出身者も参加しているという。4月からはNVIDIAのGPUクラスタを使って大規模モデルの学習を進め、今夏の初のAIモデル公開を目標に据える。

Harkは、アドコック氏が1億ドル(約150億円)の私財を投じて設立したスタートアップだ。既存プラットフォームにAIを追加するのではなく、AIを中心に製品全体を再設計する戦略を採る。スマートフォン以後を見据えた次世代コンピューティングインターフェースにつながる可能性があるとして、その動向に注目が集まりそうだ。

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