予測市場大手のPolymarketとKalshiが、インサイダー取引や市場操作の防止策を相次いで打ち出した。政治家やスポーツ選手など、結果に直接関わる立場の人物による取引を制限し、未公表の機密情報を使った売買の取り締まりも強化する。
23日(現地時間)付のEngadgetとThe Vergeによると、両社は監視体制の拡充や運営規定の見直しを公表した。米商品先物取引委員会(CFTC)の透明性確保に向けた指針や、米議会で進むインサイダー取引防止法案の動きを踏まえた対応とみられる。
■Kalshi、政治・スポーツ分野で当事者取引を制限
Kalshiは、政治候補者やスポーツ関係者が、自らに直接関わる市場で取引することを制限する新たな安全策を導入した。政治候補者は自身の選挙戦の結果に賭けることができず、プロおよび大学スポーツの選手、審判、クラブ運営陣なども、自らが参加または関与する試合結果に関する取引を禁じられる。
同社は、技術的な監視手法と照合リストを組み合わせた仕組みを整備した。一方で、規制の抜け道を探る動きも想定し、追加対策も講じる。市場ページには内部通報機能を設け、コミュニティが公開されたリアルタイムの取引データを監視し、規定違反の疑いがある事案を速やかに通報できるようにする方針だ。
■Polymarket、禁止行為を明文化 違反時は恒久停止も
Polymarketも、市場の公正性に関する規則を大幅に改定した。最近、ニコラス・マドゥロ大統領の逮捕の有無やOpenAIの新製品投入など、機微性の高いテーマを巡る市場で内部情報利用の疑いが浮上したことを受け、禁止行為をより明確にした。
同社が示した禁止行為は大きく3つある。第1に、盗まれた機密情報や、一般には公開されていない情報を利用した取引。第2に、機密情報にアクセスできる第三者から受け取った未公表情報に基づく取引。第3に、対象事案の結果に実質的な影響を及ぼし得る権限や影響力を持つ人物による市場参加だ。
Polymarketは、規定違反が疑われるウォレットアドレスを調査し、必要に応じて恒久的に利用停止とするほか、捜査機関に照会する方針も示した。違反者には強い金銭的ペナルティを科すとしている。
一連の措置は、予測市場が単なるベッティングサイトではなく、信頼できる情報分析の場として定着できるかを左右する対応といえる。未公表情報が取引価値に直結する市場だけに、インサイダー取引を抑え込めなければ、価格形成の前提となる集合知への信頼が揺らぎかねない。高度化する不正取引をリアルタイムで検知し、厳格な処分を継続できるかが今後の焦点となる。