Samsung Electro-MechanicsとLG Innotekに追い風が強まっている。AIサーバー向け需要の拡大に加え、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の値上げ観測やヒューマノイドロボット向け部品の供給拡大が重なり、証券各社は両社の収益成長余地が大きいとみている。
Samsung Electro-Mechanicsに対しては、証券各社が相次いで目標株価を引き上げた。ユアンタ証券は37万ウォンから54万ウォンへ、アイエム証券は35万ウォンから60万ウォンへそれぞれ上方修正した。
証券各社はSamsung Electro-Mechanicsの2027年営業利益について、2兆ウォンを上回る可能性があると予想する。市場予想の1兆6000億ウォンを30%超上回る水準だ。
見直しの主因はMLCCの値上げ観測にある。Murataが2025年10〜12月期の決算説明会で、市場の需給環境を踏まえて価格戦略を検討する必要が生じる可能性に言及したことを受け、ユアンタ証券は、値上げ期待が2026年第2四半期に入り形成され始めたと分析した。
Murataは稼働率を90〜95%で運営し、可能な限り95%に近い水準を維持しながら在庫を積み増す方針も示した。サーバー向けや車載向けを中心に需要の強さが確認される一方、供給側の増産対応はなお慎重で、業績の上振れ余地は大きいとの見方が出ている。
ユアンタ証券は、MLCC価格が10%上昇した場合、Samsung Electro-Mechanicsの2027年営業利益は2兆2000億ウォン、20%上昇すれば2兆8000億ウォンに達する可能性があると試算した。
アイエム証券は、Murataが第3四半期に値上げを実施し、Samsung Electro-Mechanicsも第4四半期に販売価格を引き上げることを基本シナリオとしている。過去の2000〜2001年、2017〜2018年の上昇局面では実際の値上げ幅が20〜30%に達したことから、今回もなお上昇余地があるとみている。
ロボット部品でも採用拡大
LG Innotekに対しても強気の見方が続いている。DS投資証券と未来アセット証券は、2026年第1四半期の営業利益をそれぞれ1922億ウォン、1893億ウォンと予想し、市場予想の1690億ウォンを上回ると見込んだ。
ロボット関連では、具体的な案件が立ち上がり始めている。DS投資証券によると、LG InnotekはBoston Dynamicsに続き、北米顧客向けにもロボット用カメラモジュールの供給を控えているという。
2027年に量産規模が本格的に拡大すれば、製品ミックスの改善に伴って平均販売単価(ASP)の上昇も見込まれる。ヒューマノイドロボット1台当たりにはカメラモジュールが7〜8個搭載されるためだ。
未来アセット証券は、現在は1台当たり約400ドルとされるカメラシステムのASPについて、ロボット性能の高度化に伴い、中長期的に上昇基調に入る可能性が高いと分析した。
LG Innotekのムン・ヒョクス社長は23日、株主総会後に「LiDARやカメラなどの複合センシングモジュールを前面に、米国や欧州の主要顧客と活発に協議している」と述べた。その上で、ロボット部品の大規模量産は2027〜2028年を見込むと明らかにした。
DS投資証券は、LG Innotekが今後、センサーやLiDAR、モーターなど周辺部品へと供給対象を広げ、ソリューション供給企業としての役割を強めると予想する。アイエム証券も、Samsung Electro-Mechanicsについて、ロボットや自動運転車向けへの用途拡大が進めば、モジュール事業の追加成長要因になるとみている。
両社に共通するのは、需要の軸がB2C中心の既存分野から、B2Bのデータセンターやロボット関連へと構造的に移りつつある点だ。アイエム証券によると、Samsung Electro-MechanicsのMLCC売上高に占める車載・サーバーなどB2B向けの比率は、2022年の20%前後から2027年には41%まで拡大する見通しという。
B2B比率の上昇は、在庫サイクルへの依存を下げ、実需に基づく収益構造への転換を後押しする。これにより、利益の安定性も過去に比べて高まりやすいとみられている。
FC-BGA(フリップチップ・ボール・グリッド・アレイ)パッケージ基板も、AIサーバー向けの出荷拡大と稼働率上昇を追い風に、収益性が急速に改善している。ユアンタ証券は、MLCCとFC-BGAという2つの主力事業が同時に改善する局面は珍しいと評価した。
LG Innotekのパッケージソリューション事業も堅調だ。2025年の営業利益は1289億ウォンとなり、前年の708億ウォンから82%増えた。ムン社長は、RF-SiPなど半導体基板の最大生産能力が逼迫しているとし、今後増強する場合は現在の約2倍まで拡大する計画だと述べた。
今後の焦点は、MLCC値上げの実現時期と、ロボットの量産拡大ペースにある。アイエム証券は、値上げ時期が前倒しとなる可能性も潜在的な上振れ要因だと指摘した。
一方で、ロボット事業の本格寄与にはなお時間を要するとの見方もある。ムン社長はロボット事業について、業績寄与が明確になるのは3〜4年後になるとの認識を示しており、収益への本格反映時期は引き続き変動要因となりそうだ。