iMessageがAppleのAI戦略の要になる可能性が指摘されている。写真=Shutterstock

Appleが次世代のAI戦略としてSiriのチャットボットアプリを検討するなか、既存のメッセージアプリ「iMessage」を中核に据え、AIの対話基盤へと拡張する案が有力視されている。米ITメディアの9to5Macが22日(現地時間)、こうした見方を報じた。

報道によると、Appleは「Apple Intelligence」を初めて公開した当時、Siriを独立したチャットボットアプリとして展開する構想には慎重だった。だが、ここにきてiOS 27では、次世代の「Apple Foundation Models」をベースにしたSiriアプリが登場する可能性が取り沙汰されているという。

9to5Macは、こうした動きは一定の前進としつつも、最終的にはメッセージアプリをAIの受け皿にするほうが、より大きな可能性を持つと指摘した。日常的に使われるApple標準アプリの「メッセージ(iMessage)」をAIとの対話窓口にすれば、新たな操作を覚える必要がなく、自然な導線のまま利用を広げやすいためだ。

実装面でも、iMessageを軸にしたほうがハードルは比較的低いとみられている。Siriベースの対話をメッセージ内で別スレッドとして扱ったり、AIサービスごとに会話を切り替えられる仕組みを設けたりすることで、体験を整理しやすいという。

こうしたアプローチは、既存のメッセージ利用の流れを大きく変えずにAI機能を取り込める現実的な選択肢と位置付けられている。

さらに、サードパーティー開発者の参加が広がれば、エコシステム拡大の効果も見込める。AppleはすでにApp Storeを通じて多様なAIアプリを提供しているものの、体験全体をプラットフォームとして統一的に設計できているわけではない。

これに対し、メッセージ基盤のAIプラットフォームが整えば、Appleがユーザー体験の中心を直接管理し、一貫性のあるサービス環境を提供しやすくなると9to5Macはみている。

iMessageを活用したAIの可能性を示す事例も出始めている。例えばPokeは、Mac miniベースのサーバーを用い、iMessage上で動作する仕組みを採用しており、メッセージ経由のAI体験が現実的に実装可能であることを示している。

Appleが提供している法人向けのビジネスチャット機能も方向性は近い。ただ、開発者にとって使いやすい仕組みとは言い難く、その点が制約として挙げられている。

そのため、iOS 27で開発者がメッセージアプリ内に対話型AIサービスを組み込める新APIが導入されれば、活用の幅は一段と広がる可能性がある。ユーザーは別アプリを立ち上げることなく、メッセージアプリ上でさまざまなAI機能を使えるようになる。

具体的には、コード管理や個人向け資産管理に関する通知をメッセージで直接受け取れるようになり、利用の手間を減らしつつ活用頻度を高められるとみられている。

もっとも、すべてのAIサービスが独立アプリを完全に置き換えるのは難しいとの見方もある。プラットフォーム依存を避けるため、独自アプリの維持を選ぶ開発者は少なくない可能性があるためだ。

このため全面的な代替は容易ではないものの、手軽なアクセス性が重視される領域では、メッセージ基盤のアプローチが競争力を持つ余地は大きい。

また、メッセージ基盤のAIはiPhoneだけでなく、iPad、Mac、Apple WatchなどAppleの各種デバイスでも展開しやすい。特定デバイスに依存しがちな従来のアプリ中心の構造に比べ、より広いユーザー接点を確保できる点も強みで、今後のAppleのAI戦略を占う上で重要な軸になる可能性がある。

キーワード

#Apple #AI #Siri #iMessage #iOS 27 #Apple Intelligence
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.