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海外株式に向かっていた個人マネーを国内株式市場に呼び戻す「国内市場復帰口座(RIA)」の取り扱いが3月23日、証券各社で始まった。税制優遇を通じて資金の国内還流を促せるかが焦点となる。

金融投資業界によると、Mirae Asset Securities、Korea Investment & Securities、Samsung Securities、KB Securitiesなど約20社が同日からRIA口座の開設受付を開始した。

RIAは、昨年12月23日以前から保有していた海外株式を専用口座に移して売却し、その資金を国内株式や国内株式型ファンドなどに1年以上投資した場合、譲渡所得税を減免する制度だ。

減免率は売却時期によって異なる。5月31日までの売却分は100%、6月1日から7月31日までは80%、8月1日から12月31日までは50%を減免する。上限は、全証券会社の口座を合算した売却額ベースで5000万ウォンだ。

政府は当初、保有できる口座数を1人1口座に制限する案を検討していたが、最終的には複数口座を認めることにした。

複数の証券会社を併用する投資家が多い実態を踏まえ、利用中の証券会社ごとにRIA口座を開設できるようにした。ただし、税制優遇の上限は口座数にかかわらず全口座合算で5000万ウォンに据え置く。

手続き自体は比較的シンプルだが、適用要件は明確だ。別途RIA専用口座を開設し、既存の海外株式をその口座に入庫したうえで、口座内で直接売却しなければならない。

制度適用には、最終売却日を基準に1年以上の口座維持が必要となる。期間中に国内株式を売却したり口座を解約したりした場合、減免を受けた税額を追徴される可能性がある。一方、国内株投資で得た利益のうち元本を上回る部分は、一定範囲で引き出しを認める。

政府と業界は、税制優遇だけを受けて再び海外株に向かう短期資金の移動を防ぐため、年内に他口座で海外株式や海外資産の比重が高い商品を買い付けた場合、その金額分だけ減免対象額を縮小する仕組みも設けた。RIA口座以外の他の金融機関口座での海外株式の純買いも対象に含める。

制度導入の背景には、為替と株式市場の両面がある。政府は海外市場に滞留するドル資産を国内に呼び込み、為替市場でのドル高・ウォン安圧力を和らげるとともに、国内株式市場の需要基盤を広げたい考えだ。

足元でウォン相場が1ドル=1500ウォン前後で推移するなか、RIAがドル売り需要を押し上げ、外為市場の需給改善につながるとの見方も出ている。

証券業界では、RIAが短期的に国内株式市場の流動性拡大に寄与するとの期待がある。

Korea Investment & Securitiesのヨム・ドンチャン研究員は、「2016年に類似の制度を導入したインドネシアでは、海外資産の約12%が国内に還流した」と説明。「インドネシアルピアは長期的に弱含み基調だったが、当該期間には強含んだ」と述べた。

そのうえで、同氏は「同政策はウォン高の追い風になり得る」との見方を示した。

もっとも、RIAがすぐに海外株投資家の国内回帰につながるかどうかは、なお見極めが必要だとの指摘もある。海外投資の拡大は一時的な流行ではなく、米国の人工知能(AI)産業を軸とする構造的な流れであり、税制インセンティブだけで資金フローを大きく変えるのは容易ではないためだ。

Toss Securitiesのリサーチセンター長、イ・ヨンゴン氏は、政府の「国内投資奨励」という政策の方向性には賛意を示しつつ、それだけでは不十分だと指摘した。

イ氏は「投資家が国内企業に投資しても十分な収益を得られるという経験と信頼が積み上がってこそ、資金は戻る」と強調した。

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