米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)は21日(現地時間)、デジタル資産の分類枠組みを示す解釈規則を公表した。法的拘束力のあるルールではないものの、米国の暗号資産規制が執行重視から指針重視へと軸足を移す転換点になるとの見方が出ている。
Cointelegraphによると、両当局はデジタル資産を、デジタル商品、NFT、デジタルツール、ステーブルコイン、トークン化証券の5つに分類した。
今回の枠組みは、従来のSECの運用と対照的だ。ゲーリー・ゲンスラー前委員長の下では、暗号資産が「投資契約」に当たるかを軸に、SECが執行を強めてきた経緯がある。
これに対し、新たな指針は解釈規則の形式を採っており、裁判所や市場参加者を法的に拘束するものではない。現時点では、当局の規制スタンスを示すガイダンスとしての性格が強い。
業界は今回の公表を前向きに受け止めている。Galaxy Researchの責任者、Alex Thorn氏は「今回のガイドラインは、ゲンスラー時代の規制アプローチが事実上終わったことを意味する」と述べ、「暗号資産業界にとって重要な転換点になる」と評価した。
解釈規則は裁判所の判断を直接縛るものではないため、今後の政策変更に応じて当局と業界が柔軟に対応しやすいとの見方がある。一方で、市場に対しては今後およそ30カ月にわたり、一定の予見可能性を与えるとの期待も出ている。
もっとも、長期的な規制の枠組みを固めるには立法対応が不可欠だ。米議会では「CLARITY」法案の行方が次の焦点になっている。
同法案には、ステーブルコインの利払い制限、オープンソース開発者の保護、分散型金融(DeFi)への規制、KYC(顧客確認)の適用などが盛り込まれているが、業界の反発を受けて審議は遅れている。
Politicoによると、ホワイトハウスと議会は法案の再始動に向けて協議を進めており、ステーブルコイン収益を制限する条項が盛り込まれる可能性も取り沙汰されている。
今回の分類枠組みは、暗号資産の性格を従来より明確に切り分けた点に意義がある。とりわけデジタル商品とトークン化証券を分けて整理したことで、今後の規制権限や監督体制に影響が及ぶ可能性がある。
市場では、短期的には不確実性を和らげる材料になる一方、産業全体への影響はCLARITY法案の具体像によって大きく左右されるとの見方が強い。米国の暗号資産規制は、強硬な取り締まり一辺倒の局面から、制度設計をにらんだ新たな段階に入りつつある。