写真=貯蓄銀行中央会

貯蓄銀行業界が2025年に2年ぶりの黒字を確保した。もっとも、利益を押し上げた主因は貸倒引当金の減少など費用面の改善で、貸出残高の縮小や利息利益の減少は続いている。本業の回復とみるにはなお早い状況だ。

金融監督院と貯蓄銀行中央会が23日に公表した内容によると、2025年の貯蓄銀行業界の当期純利益は4173億ウォン(約459億円)だった。前年は4232億ウォンの赤字で、1年で8405億ウォン改善し、2023年、2024年の連続赤字から2年ぶりに黒字へ転じた。

ただ、黒字転換の中身には厳しい見方が残る。業績改善を支えたのは、貸倒引当金繰入額の減少(3兆7200億ウォンから3兆2600億ウォンへ、4600億ウォン減)と有価証券運用収益の増加だ。営業拡大による回復というより、費用負担の軽減で損益が改善した側面が大きい。

主要な収益指標はむしろ弱含んだ。利息利益は5兆4156億ウォン(約5957億円)と、前年から427億ウォン減少した。調達コストの低下が一部で下支えしたものの、与信縮小に伴う利息収益の減少を補うには至らなかった。

総資産は118兆ウォン(約12兆9800億円)で、前年の120兆9000億ウォンから2兆9000億ウォン減少した。貸出残高は93兆5000億ウォンと、4兆4000億ウォン縮小した。企業向け貸出の落ち込みが目立ち、不動産PFの不良債権処理や景気減速が背景にあるとみられる。

貯蓄銀行中央会の関係者も「与信減少の影響で利息利益が縮小しており、営業面が回復したと判断するのは難しい」と説明した。

健全性指標は表面上、改善した。延滞率は2024年末の8.5%から2025年末には6.0%台へ低下し、固定以下債権比率も10%台から8%台へ下がった。不動産PFの不良債権について売却や償却を先行して進めた効果が反映された。

一方で、個人向け貸出の延滞率は約4.67%と、0.14ポイント上昇した。水準自体はなお高いとの見方もある。

金融当局は最近、貯蓄銀行の役割を見直す方針を打ち出している。業界との懇談会を相次いで開き、短期収益偏重の営業から脱し、庶民や中小企業を支える本来の機能を強化すべきだと強調した。あわせて、中金利融資の拡大や、担保偏重ではなく成長性を踏まえた与信供給の必要性も示した。

制度改編は「規制緩和と規律強化の同時推進」が柱となる。規制緩和では、企業向け貸出の対象を中小企業から中堅企業へ広げる案を進め、収益基盤の多角化につなげる考えだ。

大手の貯蓄銀行に限っては、株式、非上場株式、社債などへの投資限度の拡大に加え、決済手段事業の直接取り扱いも認めた。預貸率の算定では、非首都圏向け貸出に低い加重値を適用し、地方への資金供給を促す仕組みも導入する。

一方、規律強化では、当局が資産規模に応じて貯蓄銀行を区分し、大手には銀行並みの健全性基準を段階的に適用する方針を示した。企業向け与信の評価には将来の返済能力を反映する体系を導入し、不良債権の共同管理能力の向上や預金モニタリングの高度化も進める。

ただ、こうした構造転換は、依然として厳しい営業環境の下で進めなければならない。不動産市況の回復が遅れ、家計債務の管理基調が続く限り、貯蓄銀行の主力である不動産関連与信や個人向け貸出が明確に持ち直すのは難しいとの見方が出ている。

また、地域金融機関としての性格を維持する必要があるとして、営業区域規制は現行のまま維持された。

2年ぶりの黒字転換は一定の節目ではあるが、費用削減で支えられた今回の改善が営業正常化につながるには、貸出ポートフォリオの見直しと収益構造の多角化を実質的に定着させる必要がある。当局の制度設計と業界の自助努力がかみ合うかが今後の焦点となる。

貯蓄銀行中央会の関係者は「2026年も不動産市場の回復の遅れと家計債務管理の基調が続き、厳しい営業環境が続くだろう」との見通しを示した。中堅企業向け貸出の拡大や、中低信用者向け融資の拡充、新たな事業モデルの導入を通じてポートフォリオの多角化を進める構想だが、業績への反映にはなお時間がかかるとみている。

金融監督院は、健全性管理を一段と重視する姿勢も示した。「PF不良事業場の競売・公売や自主売却を通じて不良資産の整理を促し、健全性の改善を継続的に進める」としている。

キーワード

#貯蓄銀行 #金融監督院 #貯蓄銀行中央会 #不動産PF #延滞率 #貸出 #貸倒引当金 #中金利融資
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.