Amazonがスマートフォン市場への再参入を検討していると報じられた。Alexaと連携する新端末を社内で開発しているとされるが、市場調査会社IDCは、メモリ供給不足で市場環境が悪化しているとして「新製品の投入時期としては最悪だ」との見方を示している。
ロイターによると、Amazonは2014年の「Fire Phone」以来となるスマートフォン事業への再参入を模索しているという。開発中の端末は社内で「Transformer」と呼ばれているとされ、Alexa対応デバイスとの連携や、Amazonのショッピング機能を重視した設計になる見通しだ。価格や発売時期は明らかになっていない。
開発は、Amazonの社内組織「ZeroOne」が担っていると報じられている。ZeroOneは、Microsoft出身で初期のXboxプロジェクトを率いたジェイ・アラード氏が指揮しているという。
こうした動きに対し、IDCは厳しい見方を示した。
The Registerが20日に報じた内容によると、IDCでクライアントデバイス部門のバイスプレジデントを務めるフランシスコ・ヘロニモ氏は、AmazonがAppleやSamsung、中国勢を上回るスマートフォンを投入するのは難しいと指摘した。ハードウェア性能や既存のユーザー体験で競うのであれば、勝算は乏しいとの見方だ。
IDCは、メモリ供給不足の影響で、2026年のスマートフォン市場が13%縮小すると予測している。ヘロニモ氏は、こうした市場環境を踏まえ、「新製品の発売時期としては最悪だ」と述べた。
一方、ZeroOneは、機能を絞ったシンプルな端末も並行して開発しているとされる。カメラ、通話、GPSのみを搭載し、ブラウザーを備えない軽量端末がその一例として取り沙汰されている。
この点についてヘロニモ氏は、デジタルデトックス需要は限定的で、実際の販売規模も小さいとの見方を示した。そのうえで、小規模事業者にとっては成り立つニッチ市場でも、Amazonのような規模の企業には適さないと指摘した。
もっとも、AmazonがスマートフォンをAI端末として位置付けるのであれば、可能性が全くないわけではないとの見方もある。ヘロニモ氏は、コマース、コンテンツ、クラウド、AlexaベースのAI、さらに顧客データを生かした対応力までを併せ持つ企業は多くないとしたうえで、Amazonにはその交点で商機を見いだす余地があると述べた。
ただ、Apple、Google、Samsung、OpenAIも同じ方向へ急速に動いており、その機会の窓は閉じつつあるとも付け加えた。