写真=SAPのロゴ

SAPは、企業向けソフトウェアの課金体系をAIの利用量に応じた従量課金へ切り替える方針を強めている。クリスティアン・クラインCEOがBloombergのインタビューで明らかにした。

クラインCEOは「AIは非常に強力で、多くの業務を自動化できる。サブスクリプションにこだわる理由はない」と述べた。

従来のSaaSでは、利用者数に応じて料金を設定するモデルが一般的だった。ただ、AIエージェントが従業員の業務を代替する場面が増えれば、ユーザー単位の課金は説得力を失いかねない。

こうした動きに合わせ、SAPは7月に「Forward-deployed engineering」チームを新設する。業界ごとの知見を持つコンサルタントと開発者で構成し、顧客先に入り込んでSAPプラットフォーム上のカスタムAIソリューション構築を支援する。

クラインCEOは、「配送時間の短縮を目指す顧客であれば、トラック運転手と直接対話し、現場の業務の進め方を把握したうえでソリューションを設計する必要がある」と説明した。

SAPはこれに先立ち、製品のモジュール化とSaaS価格の透明化を柱に価格戦略を見直してきた。あわせて、外部のAIエージェントがSAPシステムと連携できるよう、プラットフォームをモデル・コンテキスト・プロトコル(MCP)に対応させた。

SAPの時価総額は2026年に入ってから約2割減少した。AIの普及によって、SaaS各社のユーザー数ベース課金が揺らぐとの株主の懸念が、株価下落の一因になったとの見方もある。

社内でもAI対応を急いでおり、すでに10万人の従業員を対象に再教育を実施した。今後数年で、開発者の役割はコードを書く仕事から、AIエージェントを構築する仕事へ移っていくとの見通しも示した。

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