中東情勢の長期化懸念が強まるなか、韓国株では原油高と為替変動が主な相場材料として意識されている。市場では空売りやインバース型商品への資金流入が増え、投資家の慎重姿勢が鮮明になっている一方、専門家の間では市場の恐怖心理はすでにピークを越えたとの見方も出ている。
韓国金融投資協会によると、空売りの先行指標とされる貸株残高は3月第3週に入って急増した。16日に144兆6000億ウォンだった残高は18日に154兆ウォンまで膨らみ、19日時点でも149兆3000億ウォンと、今月平均の143兆7000億ウォンを大きく上回った。
KOSPIの空売り純保有残高も15兆3704億ウォンに達し、過去最高水準となった。株価下落を見込むポジションが積み上がっている格好だ。
戦況の長期化が意識されるなか、国際原油価格の上昇は世界的なインフレ懸念を強めている。ウォン・ドル相場も足元で一時1500ウォン台に乗せるなど、値動きの荒い展開が続いている。
外国人投資家は、こうした為替変動に伴う為替差損リスクを警戒している。需給面では様子見姿勢、あるいは売り越し基調が続く可能性が高い。実際、外国人は直近1カ月で29兆ウォン超を売り越した。
原油急騰が一服すれば、ウォン相場が一時的に反発する可能性もある。ただ、中東情勢を巡る不確実性が解消しない限り、高水準の為替相場は当面、株式市場の重荷になりそうだ。
政府は対外ショックに備え、市場安定策を打ち出している。金融当局は最近、100兆ウォン規模の市場安定化プログラムを発動し、偽情報の流布や相場かく乱行為には厳正に対処する方針を示した。
今後の株式市場は、戦況の推移とそれに伴う原油動向に左右される見通しだ。指数は高値圏を突破した後、外部環境の悪化を受けて押し戻されるなど、値動きの荒さが目立っている。今週も相場変動を踏まえた慎重な対応が求められそうだ。
金融投資業界の関係者は「中東情勢を受けて韓国株の変動性はかなり高まっているが、企業ファンダメンタルズはなお堅調だとみている」と話した。そのうえで「市場に広がった恐怖心理はすでにピークを過ぎた」との見方を示した。
また「現在の水準は過去の基準からみてもかなり割安な水準で、市場が地政学リスクを相当程度織り込んでいることを示している」と指摘。「中東情勢が3カ月以上長引かなければ、トレンド転換の機会を探る局面になり得る」と付け加えた。