ビットコイン黎明期の「サトシ時代」に取得された2100BTCを保有するウォレットで、14年ぶりの送金が確認された。移動額は時価約2億ドルに上り、市場では大口売却につながる可能性への警戒感が強まっている。
Cointelegraphが21日に伝えたところによると、問題のウォレットでは最近、2100BTCの移動が確認された。保有資産は現在の市場価格で約2億ドル相当に達する。
オンチェーンデータによれば、同日にはウォレットアドレス「1NB3Z…QB6ZX」から新たなアドレスへ、47ドル相当のBTCが送金された。このウォレットは2012年7月に1BTC当たり6.5ドルで計2100BTCを取得しており、取得総額は1万3685ドルだった。足元では取得額に対して1万1000倍超の水準まで膨らんでいる。
移動したビットコインが直ちに売却されるかは不明だが、市場はサトシ時代のウォレットの動向に神経質になっている。Bitwiseの最高投資責任者(CIO)であるマット・ホーガン氏は、こうした古いウォレットからの売却が直近のビットコイン下落の一因になった可能性があるとの見方を示した。
昨年10月10日の急落局面では、190億ドル相当のレバレッジポジションが清算され、ビットコインは12万ドルから10万2000ドルまで下落した。サトシ時代の投資家による大口売却が、相場の上値を抑えているとの見方もある。
2025年7月にも、約4億6000万ドル相当の8万BTCがGalaxy Digitalに移された事例があった。大口資金がマーケットメーカーなどの流動性供給者に送られる動きは、クジラが売却準備に入る局面でしばしば見られる。今回のウォレット再始動が市場に及ぼす影響に、投資家の関心が集まっている。
一方、足元の市場ではビットコインと株式がそろって軟調に推移し、投資家のリスク回避姿勢が強まっている。米国、イスラエルとイランを巡る情勢が4週目に入り、ビットコインに加え、S&P500、ナスダック、金も下落した。市場参加者の間では、今回の地政学リスクが2022年のロシア・ウクライナ戦争時と似た値動きを招く可能性も指摘されている。当時、ビットコインは開戦後に24%反発した一方、その後さらに64%下落した。