米証券取引委員会(SEC、写真=Shutterstock)

米証券取引委員会(SEC)は20日、Nasdaqによる証券トークン化の実証計画を承認した。株式やETFをブロックチェーン上のトークンとして発行し、既存の市場インフラと連携して取引する仕組みを検証する。決済は米証券保管振替機関のDTCCが担うとし、CoinDeskが報じた。

今回の承認により、特定の株式やETFをトークン化し、従来の株式と並行して扱う枠組みの試験が可能になる。投資家はトークン化された証券をデジタルウォレットで保有できる。

証券トークン化を進める狙いの一つは、24時間取引と即時決済の実現にある。従来の株式市場は取引時間が限られ、決済にも日数を要するが、ブロックチェーンを活用すればこうした制約を和らげられるとの見方がある。

Krakenの証券トークン化プラットフォーム「xStocks」のVal Gui氏は、126兆ドル規模の株式市場がブロックチェーンへ向かうシグナルだと評価した。OndoのIan De Bode CEOも、24時間市場への前進を前向きに受け止め、海外投資家が米国株に常時アクセスできる可能性を強調した。

NasdaqはKrakenと連携し、株式トークンをグローバルに展開する計画だ。ただ、このモデルは既存の金融システムを置き換えるものではない。ブロックチェーンは株式の代替的な記録基盤として機能し、取引は引き続きブローカー経由で行われ、決済はDTCCで処理される。

1inchのMaylea Ma氏は、Nasdaqがブロックチェーンの利点を既存の伝統的金融(TradFi)システムの枠内で限定的に取り込んでいると分析した。投資家は決済の迅速化や保有形態の柔軟性を得られる一方、依然として仲介事業者を介す必要があるためだ。オンチェーン流動性とノンカストディ型取引を結び付けられなければ、効率化は段階的な改善にとどまるとの見方も出ている。

一方で、米国の証券トークン化の動きは他国に比べて遅いとの指摘もある。Bitfinex SecuritiesのJesse Knutson氏は、米国は規制面で前進しているものの、依然として他国に後れを取っていると述べた。

カザフスタンやエルサルバドルでは、すでにトークン化証券の発行と取引が行われている。スイスやUAEも、デジタル資産取引に向けた制度整備を比較的速いペースで進めてきた。世界最大の株式市場を抱える米国は、既存システムをブロックチェーンに移行する誘因が相対的に小さく、変化の速度も鈍くなりやすいという。

それでも今回のSEC判断は、証券トークン化が公的市場に一段と近づいたことを示す材料となる。今後は、既存の金融機関と規制当局が主導する形で導入が進む可能性がある。

キーワード

#SEC #Nasdaq #ブロックチェーン #証券トークン化 #ETF #DTCC #Kraken #xStocks #Ondo #Bitfinex Securities
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.