Mistral(写真=Shutterstock)

フランスのAI企業Mistralが、AI学習データを巡る著作権問題の新たな解決策として、収益連動型の負担金制度を打ち出した。

アルチュール・マンシュCEOは19日(現地時間)、英Financial Times(FT)への寄稿で、欧州市場でAIモデルを商用提供するすべての事業者に負担金を課すべきだと提案した。負担金は、オンライン上で公開されているコンテンツの利用規模に応じて算定するという。

Mistralは、この制度を域外の事業者にも同じ条件で適用し、欧州市場で公正な競争環境を整える必要があると強調した。

確保した財源は、欧州のコンテンツ創作への投資や文化分野の支援に充てる基金として運用する構想だ。同社はこれにより、AI開発企業がオンライン公開資料を学習に利用する際の法的不透明感を和らげられるとしている。

一方で、この基金は創作者とAI企業の直接ライセンス契約を置き換えるものではなく、あくまで補完的な仕組みになると説明した。

こうした提案の背景には、欧州のAI開発企業が競争上不利な立場に置かれているとの認識がある。

Mistralによると、米国や中国のAI企業は、著作権規制が緩い、あるいは事実上存在しない自国の制度環境の下で、欧州のコンテンツを含む大規模データを使ってモデルを学習させている。これに対し、欧州のAI開発企業は、各国で制度が分かれる中、投資や成長の障害になりかねない法的な不確実性を抱えたまま競争を迫られているという。

同社は、現行の欧州のオプトアウト制度についても実効性に乏しいとみている。著作権保護の仕組みが一貫性を欠いた形で適用され、制度が過度に複雑なため、権利者にもAI開発企業にも受け入れられていないとしている。

マンシュCEOは「欧州の知識と言語、文化で学習したAI技術を他国が作り、欧州がそれを受け入れて使うような状況になってはならない」と述べた。そのうえで、創作者や権利者、政策立案者、AI開発企業が議論を重ね、解決策を見いだすべきだと訴えた。

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