ステーブルコインの決済基盤を巡り、暗号資産業界とフィンテック業界の競争が一段と激しくなっている。TetherとCircleが決済特化型ブロックチェーンを相次ぎ打ち出したほか、Stripeが支援するTempoも参入した。買収を通じて決済ネットワークの拡充を急ぐ動きも目立っている。
Tetherは「Plasma」、Circleは「Arc」を公開し、決済用途に特化したブロックチェーン基盤の整備を進めている。Tetherの「Plasma」は越境USDT決済に最適化したネットワークで、昨年9月にメインネットを公開した。
Circleもステーブルコイン決済に特化した「Arc」のテストネットを公開し、競争に加わった。フィンテック企業の動きも活発で、Stripeが支援するTempoは高速なステーブルコイン決済向けのメインネットを立ち上げた。
Stripeはこれに先立ち、2024年10月にステーブルコインインフラのスタートアップBridgeを11億ドルで買収した。さらに、2025年6月には暗号資産ウォレットインフラ企業「Privy」を、2026年1月には決済プラットフォーム「Metronome」を追加で買収し、決済ネットワークの拡張を進めている。
Cointelegraphは、暗号資産企業やフィンテック企業が決済インフラの内製化を急ぐ背景には、高い収益機会があると報じた。Bitget Walletの最高執行責任者(COO)、アルビン・カーン氏は「プロトコル層で決済コストが低下するにつれ、価値は規制対応、為替、ウォレット基盤、加盟店接続といった周辺レイヤーに移っている」と分析した。
Telegram Walletの最高成長責任者、イリナ・チュチキナ氏は「決済インフラを握った企業がネットワーク価値を独占することになる」と指摘した。そのうえで、人工知能(AI)との連携が今後の新たな変数になるとの見方を示した。