CNBCは20日(現地時間)、Nvidiaのジェンスン・フアンCEOが、年俸とは別に「AIトークン」をボーナスとして支給する構想を示したと報じた。AIエージェントの普及を背景に、シリコンバレーでは新たなインセンティブ設計として注目を集めているという。
フアンCEOは、エンジニアに年数十万ドル規模の基本給を支払う従来の枠組みに加え、生産性向上に応じてAIトークンを追加で付与するモデルを検討していると明らかにした。AIトークンは、AI活用を前提とした業務環境の中で、報酬や採用面での新たな手段として存在感を強めている。
こうした発想の背景には、フアンCEOが見据える将来の就業構造がある。複雑な業務はAIエージェントが担い、人間のエンジニアはそれらを管理・統括する役割へ移っていくという見立てだ。Nvidia社内でも、人間の従業員と数十万のAIエージェントが共に働く環境を構想しているとされる。
AIエージェントの浸透は、ホワイトカラー業務の代替を巡る議論も加速させている。Oaktree Capital Managementのハワード・マークス会長は、AIの自律性向上によって、現在500億ドル(約7.5兆円)規模の市場が数兆ドル規模に拡大する可能性があるとの見方を示した。Goldman Sachsも、AIが米国の労働時間の25%を自動化し、その結果として雇用の6〜7%が代替される可能性があると分析している。
一方で、企業のAI導入はなお容易ではない。IT企業CI&Tの代表を務めるブルーノ・ギカルディ氏は、「AIエージェントが新たな抽象化レイヤーを形成しつつあり、ソフトウェアエンジニアはプログラミング言語ではなく自然言語でコンピュータに指示できるようになった」と説明した。
ただ、AIプロジェクトの成功率は依然として低い。コンサルティング企業のインテリジェンスブリーフィングによると、2018年以降に進められたAIプロジェクトの80〜85%が失敗したという。