暗号資産市場は、従来の4年ごとの半減期サイクルに依存する局面から、流動性や規制環境、機関投資家の資金流入が相場を左右する構造へ移行しつつある。CoinExはこうした見方を示し、Bitcoin(BTC)について、2026年末に最大18万ドル(約2700万円)に達する可能性があるとのシナリオを提示した。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが19日(現地時間)に報じた。CoinExは最近公表したリポートで、この見通しは確定的な予測ではなく、マクロ経済と市場環境が整った場合に想定されるシナリオだと説明した。
CoinExの主任アナリスト、ジェフ・コー氏は「今回のサイクルは過去と根本的に異なる」と指摘した。その上で、Bitcoinの値動きは半減期だけでなく、マクロ流動性、機関投資家の資金フロー、暗号資産市場固有の要因が複合的に影響していると分析した。
CoinExが主要な変数として挙げたのが、世界的な流動性サイクルだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げだけでなく緩和的な金融政策を維持した場合、リスク資産への資金シフトが進み、Bitcoinの上昇余地が広がる可能性があるとみる。加えて、米国や主要国で暗号資産規制の明確化が進めば、機関投資家の参入は一段と加速するとの見方を示した。
市場構造の変化を象徴する要因としては、Bitcoin現物ETFを挙げた。継続的に機関投資家の買いを呼び込む経路が整ったことで、価格調整がそのまま急落につながりにくい緩衝材の役割を果たしているという。実際、直近の調整局面でもETFへの資金流入が続き、相場の下支え要因になったとしている。
デリバティブ市場の性格も変わってきた。過去のように高レバレッジ取引がボラティリティを押し上げる構図ではなく、足元では裁定取引を中心とした比較的安定した資金が増え、市場ショックを吸収する方向に向かっているという。このため、過去のサイクルでみられた80%規模の急落は起こりにくくなったと分析した。
アルトコイン市場についても、従来とは異なる展開を見込む。市場全体が一斉に上昇する「アルトコインシーズン」より、実利用や収益モデルが明確な一部プロジェクトに資金が集まる、選別色の強い相場になる可能性が高いとした。
今後の成長ドライバーとしては、Bitcoinベースの分散型金融(BTCFi)やトークン化国債を挙げた。投機主導ではなく、担保や決済、資産運用といった実利用に根差した金融インフラが、市場の中核を担うようになると見通している。
CoinExは「次のサイクルは単一のナラティブでは説明できない」とした上で、「流動性、規制、機関投資家の参加、実利用が結び付く構造変化が市場をけん引する」と強調した。