Dinotisiaは3月20日、SBSと連携し、放送アーカイブ向けの大規模AI検索システムの高度化を進めていると発表した。約10万時間に及ぶ放送映像データを基に、意味理解に基づくマルチモーダル検索の精度向上に取り組む。
目標は、単純なキーワード一致を超え、人物、行動、背景、状況といった複数の条件を組み合わせて目的のシーンを検索できる仕組みの実現だ。生成AIの普及で、競争軸がモデル性能そのものからデータインフラや活用方法へ移るなかで進める取り組みとしている。
Dinotisiaは、マルチモーダルのベクトル検索技術に加え、ベクトルデータ処理を高速化する半導体「VDPU(Vector Data Processing Unit)」を基盤に、高速な検索処理と拡張性の確保に向けた活用も検討している。VDPUはベクトル演算をハードウェアレベルで加速し、大量の映像データ処理を支える仕組みだ。大規模アーカイブ環境では、検索精度に加え、データ処理速度や帯域幅効率も重要になるとしている。
SBSは今回の協業で、自社開発のAI検索システムをニュース、時事、教養など幅広いジャンルの放送映像に適用し、検索精度や応答速度、使い勝手を総合的に検証している。人物中心の検索ニーズを踏まえ、自社開発のAIベース顔認識検索技術も段階的に導入している。今後は制作、編集、アーカイブ管理など放送実務全般での活用策の具体化も進める計画だ。
Dinotisiaのチョン・ムギョン代表は「今後はモデル自体よりも、大規模データをどれだけ速く検索し、実際の活用につなげられるかがより重要になる」とコメントした。
今回の協業は、韓国科学技術情報通信部と情報通信企画評価院(IITP)が主管するSWコンピューティング産業の中核技術開発事業の一環として進められている国家プロジェクト「超巨大AIモデルの長期記憶保存のためのベクトルDB開発」を基盤としている。