画像=Lotte Wellfood、CJ CheilJedang、NongshimのCI(各社提供)

食品各社の定時株主総会が本格化した。2026年は、改正会社法の施行を見据えたガバナンス体制の見直しに加え、オーナー人事や経営承継、新規事業の拡大、海外展開が主要な論点となっている。

業界によると、19日にLotte Chilsung Beverageを皮切りに総会シーズンが始まった。20日にNongshimとLotte Wellfood、24日にCJ CheilJedang、26日にDongwon Industries、Daesang、Binggrae、Samyang Foods、Shinsegae Food、SPC Samlip、Ottogi、Orion、HiteJinro、27日にNamyang Dairy Productsがそれぞれ定時株主総会を開く。

今年の焦点の一つが、改正会社法への対応だ。改正案では、資産2兆ウォン以上の上場企業に対し、定款による集中投票制の排除を認めないほか、監査委員の分離選任拡大などの規制が適用される。

適用は9月からだが、各社は今回の定時株主総会で定款を見直し、先行対応を進める構えだ。Lotte Wellfood、CJ CheilJedang、Binggraeなどは、集中投票制への対応を含む定款変更に着手した。集中投票制は、少数株主が特定の取締役候補に議決権を集中できる制度で、多くの企業はこれまで経営権防衛の観点から排除条項を設けてきた。

オーナー人事を巡る動きも目立つ。Lotte Wellfood、Ottogi、Orionは、いずれもオーナーの社内取締役再任案を上程した。Lotte Wellfoodはシン・ドンビンLotte Group会長、Orionはホ・インチョル副会長、Ottogiはハム・ヨンジュン会長の再任をそれぞれ諮る。

経営環境の不確実性が高まる中、オーナー主導で経営の安定を図る狙いがあるとみられる。

経営承継に向けた布石もみられる。Nongshimはシン・サンヨル副社長を社内取締役に新たに選任する議案を上程し、Daesangはイム・サンミン副社長の社内取締役再任案を盛り込んだ。

なかでもNongshimでは、シン副社長の取締役就任により、創業家3世への経営移行がさらに具体化したとの見方が出ている。シン副社長はNongshim創業者シン・チュンホ氏の孫で、シン・ドンウォン会長の長男。2018年の入社後、7年で副社長に昇進し、今回の株主総会で社内取締役に就く予定だ。海外売上高比率を60%まで高める目標を掲げた「ビジョン2030」を含め、業務全般を幅広く担っているとされる。

創業家3世の取締役会入りが本格化する一方で、責任経営と実績の裏付けを求める声は今後一段と強まりそうだ。

事業構造の再編と経営効率化を巡る議案も並ぶ。SPC Samlipは、商号を「Samlip」に変更する案を上程した。年初に持ち株会社Sangmidang Holdingsが発足したことを受け、グループ体制の再整備に合わせて社名変更に踏み切るとの見方が出ている。

あわせてSPC Samlipは、ト・セホ Sangmidang Holdings代表と、チョン・イノ前Nongshim Kellogg代表をそれぞれ代表取締役に選任し、責任経営体制を強化する計画も示した。当初はキム・ボムス代表とキョンジェヒョン 副社長を各代表に据える案だったが、株主総会招集の決議を経て、ト代表とチョン氏を新たな代表候補とした。

新規事業の開拓も加速している。国内需要の低迷で成長が鈍るなか、海外市場の開拓強化と新たな成長分野の確保が急務になっているためだ。

Daesangは事業拡大に向け、事業目的に「知的財産権(IP)など無形資産の取得、管理、ライセンスおよび販売業」を追加する案を上程した。Sempio Foodsも、新規事業拡大に備え、酒類輸出業のほか、農・水・畜産物や健康機能食品の生産・加工・流通・販売、電子商取引関連流通業などを事業目的に追加した。

既存の主力事業だけでは成長に限界があるとの判断から、今後は食品各社による事業ポートフォリオ再編の動きが一段と速まる可能性がある。

2026年の食品業界の株主総会は、ガバナンス改革、オーナー体制の整備、新規事業拡大が同時に進む局面となっている。国内需要の低迷や原価負担、海外市場開拓といった課題が重なるなか、各社がどのような解決策を示すかが注目される。

業界関係者は「改正会社法の施行を前に、企業は定款変更や取締役会体制の整備を前倒しで進めている」と指摘する。そのうえで「食品業界では海外市場拡大の必要性が大きく、既存の主力事業だけでは限界があるとの判断から、ポートフォリオ再編と新規事業の発掘の動きも一段と鮮明になるだろう」と話した。

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