写真=聯合ニュース。1月13日、ソウル市中区の農協中央会本部で、特別監査の中間結果を受けた謝罪会見で頭を下げるカン・ホドン農協中央会長

政府・与党が、農協中央会に集中してきた権限の見直しに乗り出した。横領や背任、金品授受などで1審有罪となった場合の職務停止要件を明確化する農協法改正を進めるほか、中央会長の兼職禁止や人事・経営への介入制限も制度化する方針だ。これに伴い、カン・ホドン農協中央会長への辞任圧力も強まっている。

業界によると、政府・与党は20日、「農協改革第1段階の推進策」を公表し、職務停止の発動要件を具体化する方向で農協法の改正を進める考えを示した。あわせて、中央会長による系列会社の兼職を禁じ、人事や経営への関与を制限する規定も盛り込む。

職務停止に関する規定自体は従来もあったが、実際に適用された例はなかった。今回の見直しは、制度の実効性を高める狙いがあると受け止められている。

農林畜産食品部の傘下に独立した監査機関として「農協監査委員会」を新設する案も示された。監査対象は中央会と各組合にとどまらず、経済持株会社や子会社にも広げる方向で、監督体制全体を強化する。

カン会長を巡る疑惑は、組織の信頼を揺るがす事態に発展している。政府の特別監査では、農協財団の事業費4億9000万ウォンが、選挙関連の返礼品提供に使われた疑いがあることが明らかになった。

また、就任1周年を記念する名目で、10トン(当時580万ウォン相当)の金の鍵を受け取った疑惑でも、捜査依頼の対象に含まれた。

政府は、横領や請託禁止法違反などの疑いで、関連案件について警察に捜査を依頼した。今後、起訴されて1審判断が出た場合、法改正の内容次第では職務停止に至る可能性がある。

これに対し、カン会長は辞任要求を拒否している。監査結果については、一部に事実と異なる内容が含まれていると主張し、退任には応じない考えを示した。

謝罪はしたものの、進退問題は受け入れない姿勢を崩しておらず、政界や農民団体の反発は一段と強まっている。

チョン・ジョンドク進歩党議員は「カン会長は改革の主体ではなく、改革の対象だ。辞任して捜査を受けるべきだ」と批判した。これに対し、カン会長は「同意できない」と述べた。

その上でカン会長は、「法的に問題があれば責任を取る」としつつ、「監査結果には納得できる部分もあるが、事実でない部分もある」と説明した。

現場の反発も広がっている。全北や慶南などの農民団体は相次いで記者会見を開き、カン会長の即時辞任と農協の全面改革を求めた。

これらの団体は、今回の問題は個人の逸脱ではなく、歴代中央会体制の下で積み重なった特権構造と不透明な運営慣行の結果だと主張している。農協が農民のための組織ではなく、権力中心で運営されてきたとの批判が農民団体からも噴出している。

影響は金融子会社にも及んでいる。NH投資証券は取締役会で代表取締役の選任議案を外し、次期代表の選任手続きを延期した。

ガバナンス見直しを優先するための措置とみられる。農協金融が中央会の100%支配下にあることから、中央会の人事への影響力を遮断する政策の方向性と連動した対応だとの見方が出ている。

カン会長体制の下で形成されたとされる側近人事全般の見直しにつながる可能性も指摘されている。

農民新聞の人選も論争の的となっている。与党と政府が中央会長の兼職禁止を進める中、農民新聞は定款改正を通じて新たなCEO選任手続きを整備する予定だ。

ただ、役員候補推薦委員会を経て、カン会長の側近とされるユ・チャンヒョン前農協中央会副会長が最終候補に決まり、人事の公正性を巡る論争が再燃している。選任過程の透明性が確保されなければ、改革全体の信頼を損なう恐れがあるとの指摘もある。

農協内部でも改革論議は進んでいる。農協中央会は独自の改革委員会を通じて、選挙制度の見直しや人事の公正性向上、内部統制の強化策などを議論しており、近く実行ロードマップを確定する計画だ。

ただし、中央会長の権限縮小や系列会社人事への介入遮断といった中核課題が十分に反映されなければ、改革が内部対応にとどまるとの見方もある。

今回の問題の本質は、個人の不正の有無にとどまらず、農協の構造的な課題を解消できるかどうかにある。中央会長への権限集中、予算執行の不透明さ、系列会社人事への影響力、内部統制の不備が繰り返し表面化しており、部分的な制度修正だけでは限界があるとの指摘は根強い。

カン会長の進退問題とあわせ、実効性のある権限分散と監督体制の強化が伴わなければ、農協改革は再び形式的なものに終わる可能性が高いとの見方が出ている。

金融業界関係者は「現在の状況で、人事の刷新なしに制度改善だけで改革が可能なのか」とした上で、「現経営陣の体制が維持される限り、改革が形式にとどまる懸念は大きい」と話した。

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