画像=OpenAI

OpenAIは、軽量版モデル「GPT-5.4 mini」「GPT-5.4 nano」を公開し、ChatGPTの無料プランでも高度な推論機能「Thinking」を利用できるようにした。米TechRadarが18日(現地時間)に報じた。

これまでGPT-5.4 Thinkingは、PlusやProといった有料プラン向けの機能として提供されていた。今回の更新により、無料プランとGoプランのユーザーにも利用対象が広がった。

利用方法はシンプルで、ChatGPTのモデル選択画面からminiやnanoを直接指定するのではなく、「Thinking」オプションを選ぶと、内部的にこれらの軽量モデルが使われる仕組みだ。通常のChatGPTと同じ操作感のまま、より高い推論性能を利用できるという。

Thinkingモデルは、単純なQ&Aよりも複数の条件を踏まえた判断が求められる場面で違いが出やすい。例えば「移動時間を最小化しつつ、特定の3都市を含む5日間の欧州旅行を設計してほしい」といった依頼では、一般的なモデルは都市ごとの日程や移動手段の列挙に重点を置く傾向があった。

一方、Thinkingモデルは旅程を示すだけでなく、移動効率を踏まえて都市を回る順番を組み替え、航空機と鉄道のどちらを選ぶべきか、その理由まで説明したという。

単に行き先を並べるのではなく、どの都市を先に訪れれば移動時間を短縮できるのか、交通手段の選択によって費用と所要時間がどう変わるのかといった判断プロセスまで具体的に示したとしている。

複数条件を含む収益化の相談でも差が見られた。例えば「元手は1万ポンド、コーディング経験はなく、6カ月以内にオンラインで収益化したい」といった条件を与えた場合、一般モデルは実現可能な手段を列挙する概略的な回答にとどまったのに対し、Thinkingモデルは目標達成に向けた実行戦略を構造的に提示したという。

具体的には、短期の収益確保を狙う「トラックA」と、長期的に拡張可能な資産形成を目指す「トラックB」に分け、各段階のスケジュールや想定リスクも説明した。初期は素早くキャッシュフローを得られる施策を提案しつつ、時間の経過とともに収益を積み上げる構造を並行して設計する内容だったとしている。

注目されるのは、軽量モデルでありながら性能の落ち込みが大きくない点だ。GPT-5.4 miniとnanoは小型モデルに分類されるものの、出力品質は上位のGPT-5.4と大きく変わらない場面が多かったという。応答速度はむしろ速く、日常的な文章作成や問題解決では差を感じにくいとの見方もある。

一方、Plusプランで使えるフル版のGPT-5.4 Thinkingは、より深い分析と追加の思考プロセスを提供する半面、応答時間は長くなる。このためminiとnanoは、推論の深さを一部抑える代わりに、速度と効率を重視した実用的な選択肢といえそうだ。

今回の更新は、単なる機能追加にとどまらない。これまで有料プランに限られていた高度な推論機能が無料プランにも一部開放されたことで、AI活用の裾野を広げる動きとして注目される。

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