ChatGPTの回答に「convince me otherwise」と一言添えるだけで、AIに別の視点から再考を促せる――。TechRadarは18日(現地時間)、ChatGPTの答えをそのまま受け取らず、弱点や前提の抜けを洗い出すための簡単なプロンプトを紹介した。
ChatGPTは総じて自信のある文体で答えを返すが、ハルシネーションの懸念もあり、その内容が常に正しいとは限らない。文章が整っていて断定的であるほど説得力は増す一方、別の可能性や反対の解釈が見えにくくなることもある。
そこで有効だとされるのが、回答の直後に「convince me otherwise」と入力する方法だ。これにより、ChatGPTは先の回答を見直し、論理の弱い部分や反論の余地、見落としていた例外などを挙げやすくなるという。
例えば、生産性向上をうたう有料アプリに購入価値があるかを尋ねた場合、ChatGPTは当初、時間短縮や機能面の利点を中心に肯定的な答えを返しやすい。だが、続けて「convince me otherwise」と促すと、サブスクリプション疲れや無料の代替アプリ、日常利用では必須ではない可能性といった別の論点も示される。
進路やキャリアの見直しといった個人的な相談でも同様だ。最初の回答では、新たな機会や変化のメリットが強調され、転職や方向転換を後押しする内容になりやすい。これに対し反対の視点を求めると、経済的な負担や新分野への参入の難しさ、現職に残る利点など、見落としがちな要素も浮かび上がる。最初の答えを否定するというより、不足していた視点を補う役割を果たすわけだ。
背景には、ChatGPTが本来は複数の方向から推論できる一方で、通常は整った1つの立場にまとめて回答しやすいという性質がある。AIは質問の意図に沿って有用な答えを返すよう設計されているため、利用者が明示的に別の見方を求めない限り、他の可能性は表に出にくい。「convince me otherwise」が有効とされるのは、その別視点を短い一文で引き出せるためだ。
こうした手法は、買い物や予定の判断、進路の選択など、日常の意思決定で特に有用とみられる。初回の回答がよくまとまっているほど人は納得しやすいが、あえて反論を求めることで、欠点や限界も同時に把握できる。結果として、AIの助言を最終結論として受け止めるのではなく、判断材料の1つとしてより慎重に扱いやすくなる。
もっとも、この方法も万能ではない。ChatGPTが反対の論理を組み立てる過程で、必要以上に否定的な方向へ傾く可能性もある。ただ、重要なのは、どちらの答えが正しいかを即断することではない。同じ問いに対する2つの回答を並べ、どこで論理が分かれ、どの前提が省かれていたのかを確認することに意味がある。短いプロンプト1つで、AIの回答をうのみにせず検証する視点を持てる点が、この手法のポイントといえそうだ。