米SECとCFTCの新指針公表を受け、CLARITY Actを巡る議論が再燃している。写真=Reve AI

米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)が暗号資産に関する新たな解釈指針を示したことで、米議会で審議が止まっているデジタル資産関連法案「CLARITY Act」の必要性を巡る議論が再び活発になっている。規制当局が法案成立を待たずに主要論点の判断基準を打ち出したため、市場では「立法がなお不可欠なのか」との見方も浮上している。

ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが18日に報じたところによると、SECとCFTCは17日、68ページにわたる共同の解釈指針を公表した。指針では、多くの暗号資産を証券ではなくデジタル商品として扱いうる基準が示されたという。

両機関は5段階のトークン分類体系を導入し、最終区分に当たるものだけが証券法の適用対象になると説明した。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、XRP、カルダノ(ADA)、アバランチ(AVAX)、ポルカドット(DOT)、チェーンリンク(LINK)、ドージコイン(DOGE)、シバイヌ(SHIB)などのトークンは、デジタル商品に分類した。

ポール・アトキンスSEC委員長は、「10年以上にわたる不確実性を経て、今回の解釈は連邦証券法の下で暗号資産がどう扱われるのかについて、市場参加者により明確な理解を与えるものだ」と述べた。その上で、「規制当局は明確な基準を、明確な言葉で示すべきだ」と強調した。

今回の指針が注目を集めるのは、議会で停滞するCLARITY Actと重なる部分が少なくないためだ。CLARITY Actは2025年7月に米下院を超党派で通過したが、上院ではステーブルコインに利息を付与できるかを巡り、銀行業界と暗号資産業界の対立が続いている。

上院銀行委員会は2026年1月、業界ロビーを巡る対立のなかで法案審議を延期した。現時点で新たな日程は決まっていない。上院農業委員会は1月29日に別の草案を前進させたものの、両案のすり合わせが必要で、本会議採決までにはなお時間を要する見通しだ。

こうした立法の遅れを待たず、SECとCFTCは解釈指針の形で市場に先んじて基準を示した。いわゆる「アタッチ・アンド・デタッチ」原則も盛り込み、トークンはプレセール段階では発行体の収益約束などにより証券性を帯びる可能性がある一方、そうした約束が履行または撤回され、ネットワークが独立して稼働すれば、投資契約としての性格を失いうるとの考え方を示した。

マイケル・セリックCFTC委員長は、「米国の開発者、イノベーター、起業家は、連邦証券法と商品法の下での暗号資産の位置付けに関する明確な指針を長く待ち続けてきた」と述べた。今回の解釈によって、その不透明さに一区切りがつくとの認識も示した。

もっとも、今回の共同指針だけでCLARITY Act全体を置き換えられるわけではない。同法案には、デジタル商品取引所やブローカー、ディーラーに関する正式な登録枠組みに加え、分散型金融(DeFi)と接点を持つ中央集権型の仲介事業者に対するコンプライアンス基準も盛り込まれている。

マネーロンダリング対策(AML)条項や、捜査当局による執行手段も法案の対象だ。こうした制度設計は解釈指針だけでは整備できず、今回の措置は規制の方向性を示したにとどまる。制度全体の枠組みが完成したわけではない。

市場の受け止めも分かれている。共同指針によってCLARITY Actの相当部分が事実上先取りされたとみる向きがある一方、規制当局がトークン分類の基準に加え、ステーキングやエアドロップ、マイニングに関する立場までかなり明確にしたことで、法案の緊急性は以前より低下したとの見方も出ている。

一方で、今回の措置はあくまで解釈指針であって法律ではないとして、慎重な見方も根強い。将来の政権交代によって指針が撤回されたり再解釈されたりする可能性があるほか、裁判所も立法とは異なり規制当局の解釈に拘束されないためだ。上院で最大の争点として残るステーブルコインの利息付与の問題も、今回の指針では限定的な扱いにとどまった。

アトキンス委員長も、こうした限界は認めている。暗号資産に友好的な政策の方向性を恒久的に担保するには、最終的に議会による立法が必要だとの認識を示した。SECは今後数週間以内に、400ページを超える可能性のある正式な規制案も別途示す計画とされ、暗号資産スタートアップ向けのイノベーション例外条項が盛り込まれる可能性も報じられている。

最終的な焦点は時間との戦いになりそうだ。米中間選挙が本格化する前に、上院が実質的に動ける期間は約18週にとどまるとされる。その間に議会が立法に踏み切れるのか、それともSECとCFTCが示した規制の明確化だけで当面は市場が対応できるのか。米国のデジタル資産規制の行方を左右する焦点になりそうだ。

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