Cohesityは3月19日、NH農協銀行が国内の市中銀行で初めて、パブリッククラウドを活用した遠隔分散バックアップ基盤を整備し、復旧テストの自動化を実現したと発表した。導入製品は「Cohesity Alta Data Protection on Azure」で、金融コンプライアンス要件に対応しながら、運用コストの削減とデータ保護体制の強化を進めたとしている。
Cohesityによると、デジタル金融サービスの拡大に伴ってバックアップデータが急増するなか、従来のオンプレミスのテープベースの分散バックアップでは、機器増設の負担や運用要員の確保、DRセンターの保管スペース不足といった課題が顕在化していた。
テープ方式では、復旧検証のたびに媒体を搬出し、手作業でシステム構成を行う必要があり、時間とコストの両面で非効率が大きかったという。
こうした状況を踏まえ、NH農協銀行は、金融業界におけるクラウド規制緩和の流れに加え、パブリッククラウドをDR用途で運用してきた経験を基に、既存のバックアップ方式をパブリッククラウド構成へ切り替える案を検討した。
その過程で、金融監督院の不措置意見を通じてクラウドバックアップ活用の可能性を確認し、最終的に「Cohesity Alta Data Protection on Azure」の採用を決めた。
導入効果としては、5年間の総所有コスト(TCO)ベースで約28億ウォンの削減を見込む。あわせて、バックアップ所要時間は従来比71%、復旧時間は94%短縮したとしている。
NH農協銀行のパク・ドソン副頭取は、国内の市中銀行で初めてパブリッククラウド基盤のバックアップ体制を導入し、金融革新に向けた新たな節目になったとの認識を示した。
また、2026年上半期中に、先行導入した業務以外にも対象を拡大し、より強固で持続可能なデジタル金融保護体制を整備する計画だと述べた。
Cohesity Koreaのイ・サンフン支社長は、テープベースの分散方式に伴うコスト増や復旧の遅れは、強固なサイバー対応・復旧能力が求められるデジタルトランスフォーメーション時代に克服すべき課題だと指摘した。
そのうえで、今回のNH農協銀行の事例は、Cohesityのセキュリティ技術を基盤に、パブリッククラウド環境で金融業界のサイバーレジリエンスを高め、セキュリティ強化とTCO削減を両立できることを示す先行事例になると語った。