主要金融持株会社の定時株主総会が今月相次いで開かれる。金融当局が最高経営責任者(CEO)の再任手続き見直しや取締役会の独立性強化を求める中、会長再任、社外取締役の選任、定款変更が主要議案に並び、各社のガバナンス対応が焦点となっている。
金融業界によると、23日のWoori Financial Groupを皮切りに、24日にHana Financial Group、26日にKB Financial Group、Shinhan Financial Group、BNK Financial Groupが定時株主総会を開く。
今回は、金融当局が進めるガバナンス高度化策と時期が重なることから、各社の議案の内容と株主の判断に関心が集まっている。
なかでも注目されるのは、イム・ジョンリョンWoori Financial Group会長、ジン・オクトンShinhan Financial Group会長、ビン・デインBNK Financial Group会長の再任議案だ。議決権助言会社が賛成を推奨しており、再任が承認される可能性は高いとみられている。
ISSは3氏の再任議案に賛成意見を示したとされる。Glass Lewisもジン会長の再任に賛成を推奨した。Glass Lewisは報告書で、ジン会長について、株主価値の向上に資するほか、グループの持続的な成長をけん引する経験を備えていると評価した。
ガバナンス改革に絡む定款変更も重要議案となる。Woori Financial Groupは、代表取締役の選任を従来の取締役会決議から株主総会決議に改める案を上程した。あわせて、3期目以降の再任には株主総会の特別決議を適用する内容も盛り込んだ。CEO再任時に出席株主の3分の2以上の賛成を求めるよう金融当局が促してきたことを踏まえた対応といえる。
社外取締役の選任も今回の株主総会の大きな論点だ。ただ、各社は取締役会の安定性を理由に、入れ替えを最小限にとどめる方針を取った。
4大金融持株会社の社外取締役32人のうち、今年任期を迎えるのは23人だが、実際に交代するのは6人にとどまった。大半が留任し、各社とも交代は1〜2人程度に収まった。
各社は、金融消費者保護、内部統制、ガバナンス、人工知能(AI)などの分野の専門家を新任の社外取締役候補に据え、専門性の補強を図った。一方で、金融当局がガバナンス改革を強く求めてきたことを踏まえると、取締役会の構成見直しは限定的との見方も出ている。
金融当局が進める「ガバナンス高度化策」の公表時期も、株主総会の行方を左右する変数とみられていた。ただ、公表は今月末に先送りされ、当面の影響は限られる見通しだ。制度見直しは取締役会の独立性強化やCEO承継手続きの透明性向上が柱で、業界内では、公表が株主総会後にずれ込んだことで、会長再任などの主要議案は比較的通りやすくなったとの見方が出ている。
株主還元策にも注目が集まる。主要金融持株会社は、資本準備金を減額して配当原資を確保する議案を上程する予定だ。KB Financial Groupは「資本準備金減少の件」を株主総会に付議し、約7兆5000億ウォンの資本準備金を利益剰余金に振り替え、配当に活用する計画としている。
Shinhan Financial GroupとHana Financial Groupも、それぞれ約9兆9000億ウォン、約7兆4000億ウォンの資本準備金を利益剰余金に振り替え、配当原資として活用する方針だ。Woori Financial Groupは前年、約3兆ウォンの資本準備金を減額し、約6兆3000億ウォン規模の追加的な配当原資を確保している。
このほか、株主推薦取締役制度の導入可否も争点として浮上している。Woori Bankの労働組合は、社外取締役候補の構成を巡って独立性に問題があると指摘し、従業員株主組合による推薦取締役制度の導入に向けた議論を求めている。
金融業界では、金融持株会社を巡るガバナンス改善要求、株主還元拡大、取締役会再編の議論が重なる今回の株主総会は、今後のガバナンス論議の方向性を占う試金石になるとの見方が強い。
金融業界関係者は「金融当局によるガバナンス改善要求が続く限り、株主総会後もCEO承継手続きや取締役会の独立性強化を巡る議論は続く可能性が高い」と話した。