科学技術情報通信部は3月19日、韓国科学技術情報研究院(KISTI)が米サンノゼで開かれた「GTC 2026」で、NVIDIA、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、IonQの3社とそれぞれ業務協約(MoU)を締結したと発表した。政府が掲げる「K-ムーンショット」推進戦略の一環として、AI・高性能計算(HPC)・量子コンピューティングを軸にした研究基盤の強化を図る。
今回の協力では、KISTIが2026年下半期に構築する国家スーパーコンピュータ6号機「漢江」と、IonQの量子コンピュータ「テンポ」を中核に据え、関連分野での国際連携を広げる。同省は、グローバルAI・コンピューティング企業との協力基盤を整えることで、「K-ムーンショット」戦略を後押しする狙いがあるとしている。
KISTI、NVIDIA、IonQの3者は、量子コンピュータとHPCを組み合わせたハイブリッドコンピューティング技術の開発に向けて協力する。スパコン6号機「漢江」と量子コンピュータ「テンポ」を連携させ、関連技術の高度化、量子アルゴリズムの研究、人材育成などを進める。新薬開発や新素材、金融最適化といった課題に対応できる研究環境の整備を目指す。
KISTIとHPEは3月17日、スパコン6号機の運用効率向上と、AI・HPC研究環境の高度化に関するMoUを締結した。科学分野向けアプリケーションのスーパーコンピュータ環境への最適化に加え、科学分野の基盤モデルを学習するための環境整備を進める。
KISTIは3月18日、NVIDIAともMoUを締結した。スパコン6号機を基盤とする科学AI研究で協力を本格化させる。両者は、スーパーコンピュータのGPUインフラを活用し、大規模な科学AIモデルや分野特化型の基盤モデルの開発を進めるほか、GPUブートキャンプやハッカソンなどの教育プログラムも共同で運営する。
科学技術情報通信部の研究開発政策室長、キム・ソンス氏は「次世代コンピューティング技術は、AIを基盤とする科学研究のパラダイム転換を導く中核インフラだ」とコメント。「今回の協約を契機に、国内研究者が革新的な研究成果を創出し、『K-ムーンショット』のミッション達成が加速することを期待する」と述べた。