NVIDIAの次世代グラフィックス技術「DLSS 5」を巡り、画質面での違和感を指摘する声が広がっている。TechRadarが17日(現地時間)に報じた。顔の描写が不自然になるほか、実在選手の再現性やライティング表現にも問題があるとして、ユーザーの間で議論を呼んでいる。
DLSSはこれまで、アップスケーリングやフレーム生成を通じてゲームの描画性能向上に寄与してきた。初期には「フェイクフレーム」論争や視覚的な破綻が取り沙汰されたものの、その後は改良が進み、評価はおおむね安定していた。
ただ、今回公開されたDLSS 5では、前世代よりも見た目の品質が落ちたとする指摘が浮上している。NVIDIAはDLSS 5について、リアルタイムのニューラルレンダリングによって、より現実感のある照明や質感表現を実現すると説明しているが、実際の表示結果はそうした狙いと食い違うケースもあるようだ。
特に批判が集まっているのが、キャラクターの顔表現だ。一部の事例では、顔が過剰に補正されて歪み、本来のデザインとかけ離れた見た目になると指摘されている。
NVIDIAが公式資料で示した「Resident Evil Requiem」のキャラクター画像も議論を呼んだ。ドキュメンタリー制作者のダニー・オドワイヤーは、この画像について「すべてのキャラクターが過度に美化された怪物のように見える」と批判している。
スポーツゲームでも同様の指摘が出ており、「EA Sports FC」では、選手の顔が実在の人物とかけ離れて見え、リアリティを損ねているとの声が上がった。
中でもフィルジル・ファン・ダイクの例は注目を集めた。DLSS 5適用後の画像では、本人とは別人のように見えるとして、不満の声が広がったという。
ストーリーへの没入感を損なうとの見方もある。「Hogwarts Legacy」では、10代のキャラクターがDLSS 5適用後に実年齢より大幅に年上に見える例が共有され、ゲーム内設定との整合性を欠くとの指摘が出た。
批評家のアレックス・ドナルドソンも、「キャラクターが10年以上老けて見える」と問題視している。
背景描写やライティングでも不満が出ている。DLSS 5適用時に、照明の奥行きやコントラスト、色味が失われ、画面全体が不自然に明るくなるという報告がある。
「The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered」の事例では、元の映像に比べて不自然に明るく人工的な画面になり、「HDRをかけすぎたようだ」との反応も出ている。
こうした事例が相次いだことで、DLSS 5はすべてのタイトルで改善効果が得られるわけではなく、場合によっては開発側が意図したアートスタイルや物語表現を損ないかねないとの懸念も広がっている。業界では、今後のアップデートでこうした問題がどこまで改善されるかに注目が集まっている。