写真=SK Telecom。顧客接点の拡大と信頼回復に向けた施策を説明する

SK Telecomは3月18日、顧客接点を広げて信頼回復につなげる施策を発表した。CX組織の新設に加え、訪問サービスの拡充、CEOを含む経営陣の現場参加、AIを活用したデータ基盤整備を進め、顧客の声を商品・サービスの改善に反映させる。

同社は同日、ソウル市乙支路のフェルムタワーで記者説明会を開いた。顧客価値革新室長のイ・ヘヨン氏は「顧客の信頼はSK Telecomの存在理由だ」と述べ、「現場での対話を大幅に増やし、そこで得た声をあらゆる接点チャネルと商品・サービスに反映していく」と説明した。

◆CX組織を新設、訪問サービスを拡充

SK Telecomは2025年末、顧客価値革新室の傘下にCX(Customer Experience)組織を新設した。顧客の要望を把握し、具体策に落とし込んで商品やサービスに反映する役割を担う。

複数のチャネルを通じて顧客と直接向き合い、需要を把握するとともに、サービス改善策を提案する。中長期の顧客価値向上策の策定も同組織の任務とした。

イ・ヘヨン氏は、社内公募で組織を構成したことで、より自発的かつ意欲的な取り組みが可能になると説明した。顧客100人で構成するアドバイザリーグループも設け、月1回の定例会で現場の声を吸い上げる。

グループの顧客信頼委員会とも連携し、外部専門家との対話を通じて市場の声を多角的に把握する方針だ。

顧客価値向上策の一環として、訪問サービスも拡充する。2025年に始めた訪問サービスはUSIM交換などセキュリティ対応が中心だったが、2026年は情報取得が難しい顧客の不便解消に軸足を移す。

2026年は全国の71郡を訪問する計画だ。高齢人口比率が30%を超える地域を優先し、セキュリティ教育に加えて、通信やAIに関する相談、端末のアフターサービス相談まで提供する。

同社は2月から、試験的に6地域で訪問サービスを実施している。イ・ヘヨン氏は「移動式バスを活用し、訪問店舗の形で保護フィルムの交換や修理などの業務も支援する予定だ」と述べた。

SK Telecomは40年以上利用している長期顧客との接点も拡大する。長年の利用を通じて蓄積された意見を聞き取り、サービス改善に反映する狙いだ。

このほか、20~40代や青少年など、顧客層ごとの特性を踏まえた施策も進める。大学の経営コンサルティング関連団体と協業し、大学生の意見を取り入れながら若年層向けマーケティング施策も検討する。

2026年下半期には、小中学校を対象にAI活用とセキュリティに関するワークショップも開く予定だ。

◆CEOも現場へ、市場シェア回復を後押し

こうした取り組みには、首位事業者としての地位を維持し、中長期の成長エンジンを確保する狙いもある。SK Telecomは現在、市場シェア40%を回復できていないという。

2025年には、KTの不正少額決済事故の反動で一部顧客を取り戻したものの、再び40%を超えるには時間がかかるとの見方を示した。

同社は、顧客価値の向上と企業体質の抜本改革を通じて、顧客が実感できる変化を生み出す考えだ。チョン・ジェホンCEOは、バルセロナで開かれたMWC26で「SK Telecomは顧客を事業の本質と位置づけ、AIによる変革を通じて、顧客と大韓民国の誇りとなる企業へ進化する」と語っている。

2026年の訪問サービスには、チョンCEOを含む役職員も参加する。顧客接点の強化に向けて社内の人員を広く投入し、より多くの意見を集めるためで、チョンCEOも近く顧客と直接会う予定だという。

新入社員研修の一環として、現場で顧客が直面する課題の解決に取り組むプロジェクトも実施する。全社的な活動の中心に顧客を据え、革新を進める方針だ。

一方で、AI技術を活用した顧客価値の向上にも力を入れる。分散している顧客ニーズやシグナルを精製・分類・加工し、AI学習に活用できるデータ基盤を整備する「AIデータキュレーティング」体制の構築を進める。

SK Telecomのキム・インス氏(チーム長)は「情報を外部に流出させず、AIサービスに安全に反映することが第一の目標だ」と説明した。顧客の個人情報を安全に保護しながら、商品・サービスの改善につなげる考えを示した。

イ・ヘヨン氏は「直接聞いた顧客の声を会社の変化につなげ、その変化を持続可能な仕組みにすることが2026年の目標だ」と強調した。「小さな声も取りこぼさず改善につなげ、変化への取り組みを顧客が実感できるよう、全力を尽くす」と述べた。

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