画像はイメージ。NVIDIAはセキュリティと拡張性を強化したNemoClawを公開した(ChatGPTで生成)

NVIDIAのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は16日(現地時間)、米サンノゼで開いた年次開発者会議「GTC 2026」の基調講演で、全ての企業がAIエージェント戦略を持つべきだと訴えた。あわせて、オープンソースのAIエージェントプロジェクト「OpenClaw」を次世代コンピューティングの中核に位置付け、企業利用を見据えて安全性を高めた「NemoClaw」も公開した。

Business Insiderなど海外主要メディアによると、フアンCEOは講演で「全ての企業がOpenClaw戦略とAIエージェントシステム戦略を持つべきだ。これが新しいコンピュータだ」と述べた。

同氏はOpenClawについて、次世代コンピューティングを支える基盤技術だと強調した。個人向けコンピューティングの普及を支えたWindowsになぞらえ、AIエージェント市場の構図を変える可能性があるとの認識を示した。

さらに、「OpenClawのおかげで、誰もが個人向けAIエージェントを作れるようになった。業界のニーズに応える技術だ」と説明。Linux、Kubernetes、HTMLを引き合いに出しながら、「産業全体で活用できるオープンソーススタックを構築した」と述べた。

OpenClawは、開発者主導のオープンソースプロジェクトとして広がっているという。OpenAIが主要開発者のピーター・スタインバーガー氏を採用した後も、プロジェクトは独立性を維持しながらエコシステムを拡大しているとした。

一方、OpenClawの普及に当たってはセキュリティ面の課題もある。NVIDIAはこれに対応する形で、安全機能を強化したNemoClawをあわせて披露した。

NemoClawは、安全機構とプライバシー保護のためのルーティング機能を備え、企業環境でもAIエージェントを安全に運用できるよう設計した。フアンCEOは「企業内でも安全にClawを実行できるようになる」と語った。

会期中には「Build a Claw」プログラムも実施し、参加者が独自のAIエージェントを直接開発できるよう支援した。AIエージェントの普及と、開発エコシステムの拡大を同時に狙う取り組みとみられる。

フアンCEOは、AIインフラ需要についても強気の見方を示した。次世代AIチップ「Blackwell」と「Rubin」アーキテクチャを基盤とする需要は、2027年までに1兆ドル(約150兆円)規模に達するとの見通しを示した。

NVIDIAはAIチップ市場で優位を保っている。売上高は2022年の270億ドル(約4兆500億円)から直近では2160億ドル(約32兆4000億円)へ拡大し、時価総額も数兆ドル規模に膨らんだ。

もっとも、足元ではAIブームの過熱に対する警戒感もあり、株価の変動性は高まっている。Wedbush Securitiesのアナリスト、ダン・アイブス氏は「技術産業の変曲点だ」と指摘し、NVIDIAの今後の成長余地に注目した。

NVIDIAはAI学習向けチップに加え、推論分野にも事業領域を広げている。フアンCEOは講演で「推論の変曲点に到達した」と述べ、AIのパラダイム転換が進んでいるとの認識を示した。

同社はAIチップのスタートアップGroqと契約を結び、関連人材の確保も進めている。一方で、GoogleやMetaなどの大手テック企業は自社AIチップの開発を加速しており、競争は一段と激しくなっている。

業界では、NVIDIAが単なるチップメーカーを超え、AIエージェントやソフトウェアのエコシステムまで取り込むプラットフォーム企業へと進化しつつあるとの見方が出ている。今回の発言も、同社がハードウェア中心の事業からAI運用基盤へと軸足を移しつつあることを示すメッセージと受け止められている。

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