AIデータセンターの拡大で、Bitcoinネットワークの安全性を懸念する声も出ている。写真=Reve AI

AIデータセンターの急拡大を受け、Bitcoin採掘業界の事業環境が厳しさを増している。電力を大量消費するという共通点から、AI関連施設が採掘事業者の有力な競合先となっており、採掘撤退が広がればBitcoinネットワークの安全性に影響しかねないとの懸念も出ている。

Cointelegraphが16日(現地時間)に報じたところによると、一部の専門家は、採掘事業者の減少によってBitcoinネットワークが「51%攻撃」に対して脆弱になる可能性があると指摘している。51%攻撃は、ネットワーク全体の計算能力の過半を掌握し、取引承認を不正に左右する攻撃を指す。

一方で、Bitcoinの仕組み上、採掘収益性は最終的に自律的な調整機能によって均衡を取り戻すとの反論もある。

ブロックチェーン分野の専門家ラン・ニューナーは、AIがBitcoin採掘にとって最大の競合相手になったと主張した。Bitcoin採掘の収益は1MW当たり57〜129ドルにとどまる一方、AIデータセンターでは同じ電力で200〜500ドルの収益を見込めるため、採掘事業者がAI分野へ移行しやすいという。

こうした動きは実際の企業戦略にも表れている。Core ScientificはAIホスティング向けに10億ドル(約1500億円)の信用枠を確保した。Mara Holdingsも、AI関連事業への転換を視野にBitcoin売却を進める計画だ。

Cipher Miningはハッシュレートを引き下げ、AIコンピューティング事業に注力している。Bitmainの共同創業者ウー・ジーハンについても、AI分野へ軸足を移したと報じられている。

これに対し、Bitcoin開発者でBlockstreamのCEO、アダム・バックは、AIによる電力需要が増えても、ネットワークの難易度調整によって採掘収益性は再び改善し得ると反論した。投資家のフレッド・クルーガーも「Bitcoinは自動調整されるシステムだ」と述べ、同様の見方を示している。

ただ、ラン・ニューナーは、ハッシュレートが2025年10月の高値から14.5%低下したとし、それに伴ってネットワークの安全性も弱まっていると警告した。

BitcoinのESG分野の専門家ダニエル・バッテンは、AIとBitcoinは競合一辺倒ではなく、相互補完の関係を築く可能性があるとの見方を示した。Bitcoin採掘は遊休エネルギーを活用できるほか、電力網の柔軟な負荷調整を担え、旧式設備でも低コスト電力を利用しやすいと説明している。

市場の焦点は、AIがBitcoin採掘を代替するのか、それともBitcoinネットワークが自律的に均衡を取り戻すのかに移っている。Bitcoin価格が上昇すれば採掘事業者が戻る可能性は高まるが、下落基調が続けば長期的なリスクにつながりかねないとの見方もある。

Bitcoinは直近5カ月連続で軟調に推移していたが、3月に入って約8%上昇し、反発の兆しを見せている。長期下落後の持ち直しを受け、市場ではトレンド転換への期待も強まりつつある。

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