Circle株の急騰は、ステーブルコインが価値保存手段にとどまらず、AIやトークン化資産を支える決済基盤として存在感を高めていることを映している。写真=Reve AI

ステーブルコイン発行大手Circleの株価が、この1カ月で2倍超上昇し、暗号資産関連銘柄の中でも一段と注目を集めている。USDCの需要拡大に加え、トークン化資産市場の成長やAI関連決済での採用拡大、規制明確化への期待が株価を押し上げている。

ブロックチェーンメディアのCoinDeskが16日(現地時間)に報じたところによると、Circle株は直近1カ月で2倍超上昇した。週明けも約8%高となり、124.37ドルを付けた。同期間のStrategyの約23%高、Coinbaseの約8.5%高を大きく上回った。

株価上昇の背景には、アナリストによる評価の見直しもある。投資銀行Clear Streetは投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を136ドルに設定した。Mizuhoも目標株価を120ドルに引き上げている。

これまで慎重姿勢だったCompass Pointのアナリスト、エド・エンゲル氏も、投資判断を「売り」から「中立」に変更した。強気な見通しとしては、Seaport Globalが目標株価280ドルを提示している。

こうした評価の背景には、デジタル資産市場の構造変化がある。主力商品のUSD Coin(USDC)は米ドル連動型のステーブルコインで、国際送金や資産移転を支える基盤として存在感を高めている。

ステーブルコインは、相場変動局面でも需要が比較的底堅い点が投資家の関心を集めている。実際、2025年10月以降に暗号資産の時価総額が約44%減少する一方、USDCの時価総額は比較的安定して推移した。

成長ドライバーとしては、トークン化金融市場の拡大も大きい。Clear Streetによると、トークン化資産市場は2023年初めの15億ドルから、足元では約265億ドルへ急拡大した。BlackRockのトークン化ファンド「BUIDL」も、立ち上げ以降に20億ドル超成長し、需要拡大を裏付けたという。

AI分野での決済需要の広がりも追い風となっている。予測市場プラットフォームのPolymarketは昨年、約220億ドル規模の取引を処理し、その大半がUSDCで決済されたとされる。

AIエージェントを活用した商取引でも、ステーブルコインは中核的な決済手段として使われている。報道では、AI関連の決済の約98%をUSDCが占めていると伝えられた。

マクロ環境も支援材料だ。中東情勢の緊迫化と原油高を背景に利下げ期待が後退し、Circleが保有する準備金からの利息収益の増加期待が強まっている。これはステーブルコイン事業の収益性を押し上げる要因になるとみられている。

規制面でも好材料が出ている。ドナルド・トランプ米大統領が、デジタル資産規制の明確化を目的とするCLARITY法案を支持しており、法案成立への期待が高まっている。市場では、これが機関投資家マネーの流入を促す要因になるとの見方が出ている。

市場では、最も安定的な資産を基盤とする企業が、最も成長期待の高い銘柄の一つとして評価され始めたとの見方が広がっている。ステーブルコインを巡る投資家の見方は、大きく変わりつつある。

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