NVIDIAが主導してきたAIチップ市場で、競争が一段と激しくなっている。ビッグテック各社に加え、スタートアップや中国勢、従来型の半導体大手も攻勢を強めており、NVIDIAの独走に変化の兆しが出てきた。
米Business Insiderは14日(現地時間)、AIチップ市場でNVIDIAの優位を揺るがしかねない競合が相次いで台頭していると報じた。
有力な対抗馬の一つがGoogleだ。Googleは10年前からTensor Processing Unit(TPU)を開発してきた。最近ではMetaと協業し、TPUを提供する契約を結んだという。
Amazonも自社設計のAIチップを展開しており、NVIDIAの代替候補として「Trainium」と「Inferentia」を投入した。MicrosoftはAI推論チップ「Maia 200」を発表。Metaも今後2年で第4世代チップを開発する計画だ。
スタートアップ各社の動きも活発だ。NVIDIAはAIチップ開発企業Groqの技術を200億ドルで買収し、推論チップ市場への参入を狙っている。
2015年設立で企業価値が230億ドルと評価されるCerebrasのほか、シリーズEの資金調達を進めたSambaNova、直近で企業価値20億ドルとされたTenstorrentなども、資金調達や提携を足がかりに存在感を高めている。
中国市場は、NVIDIAにとって依然として最大の地政学リスクだ。ジェンスン・フアンCEOは、中国向け規制が強まるほど現地の技術自立をかえって加速させかねないと、繰り返し警鐘を鳴らしてきた。
その中心にいるのがHuaweiだ。Huaweiは自社AIチップの開発を加速し、NVIDIA依存の引き下げを進めている。AlibabaやBaiduも自社設計のAIチップをクラウド事業に適用している。
競争の軸はビッグテックやスタートアップだけではない。従来型の半導体企業も本格的に攻勢に出ている。
AMDはGPUの競争力を武器に、Metaなど主要顧客を確保した。Intelは強固な法人顧客基盤を背景にシェア拡大を狙う。Broadcomはネットワーキングやカスタムチップ設計で存在感を高め、GPU需要の拡大から恩恵を受ける構図を築いている。
一時はNVIDIAの独壇場に見えたAIチップ市場は、足元で本格的な混戦局面に入りつつある。GoogleやAmazonなどのビッグテックに加え、スタートアップ、中国企業、従来型の半導体大手がそれぞれ異なるアプローチでNVIDIAの牙城を崩そうとしており、市場主導権を巡る競争はさらに激しさを増しそうだ。