写真=SKT。社員が専用プラットフォーム「AXMS」を活用し、業務現場でのAI活用テーマを具体化している様子

SKTは、全社的なAI転換(AX)を加速する。非開発職を含む全社員が自らの業務に即したAIエージェントを活用・開発できる体制を整え、業務自動化にとどまらない事業変革につなげる考えだ。

同社は3月16日、「1人1AIエージェント」を掲げ、関連基盤の整備や社員教育を柱とするAX推進ロードマップを社内に示した。スローガンには「共に作る変化、AX」を掲げる。

まず、コーディング経験がない社員でもAIエージェントを構築しやすいよう、複数のプラットフォームを提供する。汎用型の「A. Biz」のほか、マーケティングやデータ抽出向けの「Polaris」、ネットワークデータ分析とコーディングを支援する「Playground」を用意した。

社員はこれらのプラットフォームを使い、自然言語での指示やモジュールの組み合わせを通じて、実務に活用できるAIエージェントを作成できるという。

同日には、AXを組織文化として定着させるための基盤「AXMS(AX Management System)」も正式稼働した。社員が提出した改善アイデアや進捗、フィードバックを可視化し、社内知見の共有と活用を促す。

AXMSでは、こうした情報をリアルタイムで確認できるダッシュボードも提供する。

SKTは今後、AXアイデアの公募と教育施策を通年で進める。2月から実施しているAX革新アイデア公募には、約180件の提案が集まった。

このうち中核プロジェクトはファストトラック案件として選定し、2026年第3四半期中の商用化と全社展開を目標に、実務担当者と開発部門が共同で開発を進めている。

あわせて、フロンティア教育、デザインキャンプ、ブートキャンプへと続く段階別の育成プログラムも運用する。社員のAI活用力を実務レベルで高める狙いだ。

上半期にはハッカソンを開催し、社内の革新力を結集する。下半期には第2次AXプロジェクトの選定や優秀事例の表彰を通じて、成功事例の全社展開を進める計画だ。

同社はすでに、社員が生み出したAXの成功事例を実務に適用している。例えば「セキュアコーディング検証自動化」では、AIがコードをレビューし、エラーの防止に加えて修正案の提示まで担う。

これにより、担当者の業務時間を年間30%削減したという。位置分析ソリューション「LITMUS」では、交通や流動人口の移動、移動手段を推定するAIアルゴリズムを組み合わせ、自治体向け提供など新規事業の成果にもつながったとしている。

SKT CEOは「AI転換は華やかな技術から始まるものではない。現場の課題を最もよく知る社員一人ひとりの小さな改善から始まる」と述べた。その上で「AIで不便を解消しようとする試みの積み重ねが、SKT独自のAXフライホイールを回す強力な原動力になる」と強調した。

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