AIサービス事業者向け「利用者保護関連通信関係法令案内書」の表紙(写真=放送メディア通信委員会)

放送メディア通信委員会は1月20日、AIサービス事業者向けの「利用者保護関連通信関係法令案内書」を公表した。AI技術の急速な発展に伴って生じている法適用の不確実性を踏まえ、電気通信事業法や情報通信網法の利用者保護規定を整理し、AIサービスへの適用の考え方と制度改善の方向性を示した初のガイドとなる。

案内書では、電気通信事業法と情報通信網法のうち、AIサービスの提供に関連する利用者保護の主要条文を中心に検討した。AIサービスは提供形態や利用方式が多様で、個別法令の適用関係が分かりにくくなりやすいことから、事業者が規制対応を見通しやすくする狙いがある。

放送メディア通信委員会は、2025年3月から情報通信政策研究院(KISDI)とAI法務の専門家で構成する研究班を中心に、外部有識者の意見も踏まえて案内書の作成を進めてきた。

対象としたのは、電気通信事業法における禁止行為や利用者保護、損害賠償に関する規定のほか、情報通信網法における違法・有害情報の流通防止、児童・青少年保護に関する規定などだ。現行のAIサービス提供に関わる利用者保護条文を幅広く点検した。

案内書によると、AIサービス事業者は付加通信事業者として、電気通信事業法が禁じる利用者利益の侵害行為や、重要事項を告知しない行為を行ってはならない。

また、情報通信網法上の違法・有害情報の流通防止に関しては、「流通」の概念も検討対象としたうえで、AIサービスでも関連論点が重要になると指摘した。一方で、研究陣はAIサービスの利用形態によって、各法令の適用可能性が変わり得るとの前提も示している。

案内書ではあわせて、AIサービス事業者に対する利用者保護政策の改善方向も提示した。放送メディア通信委員会は、同案内書を通じて事業者の法令対応の安定性を高めるとともに、利用者のサービス利用に対する信頼向上につなげたい考えだ。

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