Samsung ElectronicsとSK hynixの4Q業績が、メモリ市況の改善を追い風に大幅増益となる見通しだ。両社とも営業利益は市場予想を上回るとの見方が強く、証券各社は足元の価格上昇に加え、AIサーバー向け需要の拡大と供給制約を背景に、2026年の利益予想を相次いで上方修正している。
Samsung Electronicsの4Q暫定営業利益は20兆ウォンだった。前年同期比208.2%増、前四半期比64.3%増と大きく伸びた。
ハナ証券は、同社メモリ部門の営業利益が17兆7000億ウォンに達すると分析した。DRAM価格は40%、NAND価格は22%それぞれ上昇したという。
供給面で主導権を握るSamsung Electronicsは、価格上昇の恩恵を大きく取り込んだ格好だ。DRAMは従来見通しの31%、NANDは同18%を大きく上回り、従来のコンセンサスも超えたとしている。
SK hynixについても、4Q営業利益は17兆ウォンに達するとの見方が出ている。キウム証券は16兆2000億ウォン、ハナ証券は17兆ウォンと予想している。
HBMの売上構成比は30%を超えた。一方で、一般DRAMの価格が想定以上に強含んだことで、全体業績の改善につながった。
メモリ価格の急騰の背景には、AIサーバー向け需要の急増と供給不足がある。IBK投資証券は、DRAMのBOMコスト比率が12月時点で9.9%となり、過去平均の5.4%を大きく上回ったと分析した。
BOM(Bill of Materials)コスト比率は、PCやスマートフォンの製造原価に占めるメモリ半導体の割合を指す。この比率が過度に上昇すると、完成品メーカーが製品価格を引き上げたり、メモリ搭載量を減らしたりすることで、需要の減少につながる可能性がある。
こうした動きを受け、主要PCメーカーはすでに製品価格を10〜30%引き上げ、中国のスマートフォンメーカーも15%以上値上げした。DellとLenovoは法人向け汎用サーバーの価格を10%超引き上げると発表しており、AIサーバーの構築コストも最大25%上昇する見通しだ。
iM証券は、顧客企業が製品値上げによってメモリ原価の負担を緩和しており、メモリ価格にはなお上昇余地があるとみている。
証券各社は、両社の2026年業績見通しも大幅に引き上げている。ハナ証券はSK hynixの2026年営業利益を112兆ウォンと予想し、前年比147%増の水準になるとした。
メモリ価格の上昇も続くと見込む。2026年のDRAM価格は54%、NAND価格は55%上昇すると予想した。
キウム証券も、SK hynixの2026年営業利益見通しを103兆ウォンへ引き上げた。NAND部門の営業利益については、従来の3兆5000億ウォンから13兆ウォンへ大幅に上方修正した。
SK証券は、AIのスケールアウトに伴う需要拡大と供給余力の制約が重なり、メモリ業界が量的成長局面に入ったと分析する。HBMに加え、サーバーDRAM、LPDDR、SSDなどメモリ全般で需要の強さが出ているという。
顧客との長期供給契約を巡る協議は今後2〜3年にわたって進む見通しで、これがサイクルの長期化と業績見通しの改善につながるとみている。
一方、リスク要因としては需要減速の可能性がある。価格上昇によってBOMコスト負担が増し、市場需要がかえって弱含む恐れがあるためだ。
IBK投資証券は、顧客のメモリ確保が一巡し、セット製品の価格上昇やメモリ搭載量縮小の影響が表面化すれば、需要減速が起こり得ると指摘した。
もっとも、短期的には株価はこうした業績期待に敏感に反応している。16日、Samsung Electronicsは上場来高値を更新した。同日午後3時30分時点の株価は前日比3.47%高の14万8900ウォンで、取引時間中には14万9400ウォンまで上昇し、15万ウォン台に迫る場面もあった。
SK hynixも前日比0.93%高の76万5600ウォンだった。
直接の材料となったのは、TSMCが過去最高の業績を発表したことだ。TSMCはAIチップ需要の拡大を追い風に、今年の売上高が前年比で約30%増加するとの見通しを明らかにした。
一方で市場では、世界的なAI半導体需要の増加をTSMCだけでは吸収しきれず、その波及効果がSamsung Electronicsにも及ぶとの見方も材料視された。
証券各社の間では、Samsung Electronicsの株価が20万ウォンまで上昇し得るとの見通しも出ている。メモリ価格上昇のモメンタムが当面続き、業績コンセンサスの上方修正が株価を押し上げるとの分析だ。
両社は29日に4Qの確定実績を発表する予定だ。Samsung Electronicsは同日10時、SK hynixは同9時に2025年4Qの経営実績を公表する。