D2C(消費者直販)は有力ブランドの成長手法として広がる一方、立ち上げ段階では運営業務の複雑さが参入障壁になりやすい。商品デザインや商品登録、決済連携などの実務負担が重く、こうした作業を自動化するソリューションへの関心が高まっている。
創業初期の負担の大きさは調査にも表れている。韓国中小ベンチャー企業部の「2024年1人創造企業実態調査」によると、1人企業の平均創業準備期間は11.7カ月。初売上の発生までさらに2.7カ月かかり、損益分岐点(BEP)到達までの平均は28.6カ月だった。自社ECサイトが安定収益に乗るまでには、40カ月超を要する計算になる。
◆立ち上げから販促までを自動化、準備期間を短縮
グローバルECプラットフォームのCafe24が提供する「Cafe24 PRO」は、サイト構築からマーケティングまでをシステムで支援するサービスだ。ブランド運営に必要な技術面の実務を自動化し、事業者が商品企画や販売戦略に集中しやすい環境を整える。
従来は、自社ECサイトの構築や決済連携、商品詳細ページの制作などを習得・運用するのに多くの時間が必要だった。Cafe24 PROでは、事業者が商品情報と画像を用意すれば、蓄積データを活用したシステムがサイト開設から商品登録までを処理する。専門スキルが十分でない起業家でも、商品準備と並行して市場投入を進めやすくなるという。
負荷の大きい商品詳細ページやバナーなどの制作も効率化する。AIが商品画像と基本情報を分析し、約3分で商品詳細ページを生成。販売に適した訴求文やレイアウトを自動で反映し、短時間で訴求力のあるビジュアルコンテンツを整えられるとしている。
◆15の主要マーケットに一括連携、集客を補完
自社EC運営で大きな課題となる集客についても、システム連携で補う。立ち上げ初期に不足しがちなブランド認知を、主要マーケットプレイスとの接続で補完する考えだ。
Cafe24 PROは、自社ECの商品をGmarket、Musinsa、Ablyなど国内外15の主要マーケットに数回の操作で一括連携できる。チャネルごとに管理画面へアクセスし、同じ情報を繰り返し入力する作業を減らし、運営効率を高める。
SEO(検索エンジン最適化)に加え、AIベースの検索最適化であるGEOも標準で適用し、広告費に依存しない流入拡大も狙う。多言語の自動翻訳を通じた海外市場への展開もシステム上で一元処理し、マーケティングから物流、CSまでECのバリューチェーン全体を支援する。
◆月間GMVは1338億ウォン、利用ブランドも拡大
こうした運営のシステム化は実績にも表れている。Cafe24によると、2025年11月時点のCafe24 PROの月間GMV(流通総額)は1338億ウォン。サービス本格化から1年で、前年同月比14.6倍に拡大した。
累計利用ブランド数は約1万7000に達し、毎月4000件超の新規申請があるという。運営負担を人手で抱え込むのではなく、システムを活用して事業スピードを高める選択が広がっていることを示した形だ。
Cafe24でビジネス成長チームのグループ長を務めるハ・ジュヒ氏は、「技術課題の解決や反復業務に時間を費やしていた時代とは異なり、今は差別化された商品企画など、本来の価値創出に集中する『設計者』としての役割が重要になっている」とコメントした。その上で、「運営業務をシステムで支援し、起業家がクリエイティブな領域に没頭できる環境を継続的に提供していく」と述べた。