韓国政府が進める「国産AI基盤モデル」事業の1次評価で、Naver CloudとNC AIが選外となった。政府は当初想定していた4チーム体制を維持するため、追加公募による再選考を実施する。
科学技術情報通信部と情報通信産業振興院(NIPA)、韓国情報通信技術協会(TTA)は15日、同事業の1次評価結果を公表した。
評価対象となったのは、Naver Cloud、Upstage、SK Telecom、NC AI、LG AI研究院の5チーム。このうちNaver CloudとNC AIは1次評価を通過できなかった。Naver Cloudはベンチマーク評価では基準を満たしたものの、「独自性」の要件を充足できず選外となった。
今回の結果を受け、事業運営の見直しは避けられなくなった。科学技術情報通信部は当初、1次評価で1チームのみを選外とし、4チームで2次評価を進める計画だったが、通過チームは3チームにとどまった。
このため同部は、選外となったNaver CloudとNC AIを含め、すべての企業に追加参加の機会を与える方針だ。追加公募を通じて1チームを新たに選び、2026年上期中に4チーム体制を整える考えだ。
追加選定される1チームには、1次評価の通過チームと同様に、GPUやデータの支援に加え、「K-AI企業」の呼称付与など、国産AI基盤モデル開発に向けた支援策が適用される。
業界では、追加公募の行方に注目が集まっている。これまで公募に応募しながら1次評価の対象に含まれなかった企業にも再応募の道が開かれるためだ。Naver Cloudの再挑戦が取り沙汰される一方、KTやKakaoにも再参入の余地が生まれた。
KTは、韓国型AIとして設計した「Mid-eum」を前面に掲げて応募したが、最終的に5チームには入れなかった。応募時には、公共AX分野で実証したAICTの能力を基に、「すべての人のためのAI」を実現する方針を打ち出していた。
KakaoもAIサービス「Kanana」を投入し、選定チーム入りを狙ったが、最終的に選定チーム入りを逃した。業界では、KakaoがChatGPTを開発したOpenAIと協力している点が、「ソブリンAI」を重視する政府方針と合致しにくいとの見方が出ている。
このほか、Lunit、Motif Technologies、Bionexus、Scionic AI、Junction Med、KONAN TECHNOLOGY、Pion Corporation、韓国科学技術院(KAIST)など、選定チーム入りを逃した企業・機関にも再挑戦の機会が与えられる。
科学技術情報通信部は今回、ベンチマークに基づく定量評価に加え、AIモデルの自律性や統制権に関わる「独自性」を主要な評価項目として前面に打ち出した。性能指標だけでなく、AIの自律性や主導権も重視する方針を明確にしたことで、企業側の戦略判断は一段と難しくなりそうだ。