写真=聯合ニュース

インターネット専業銀行が、海外送金サービスの強化に乗り出している。手数料の安さに加え、着金までの速さや送金状況の見やすさを前面に打ち出し、利用者の獲得を競っている。

金融業界によると、政府は年初から外為管理の効率化を目的に、無証憑の海外送金限度額を銀行・非銀行を問わず10万ドル(約1500万円)に統一した。これまでは銀行が10万ドル、非銀行が5万ドルと上限が分かれていたが、制度見直しにより個人にとって利用条件が分かりやすくなった。

指定取引銀行制度の廃止も競争を後押ししている。従来は5000ドル(約75万円)超の送金で利用先を1行に限る必要があったが、制度廃止によって複数の銀行から選べるようになり、消費者の選択肢は広がった。こうした規制緩和が、ネット銀行による海外送金事業の拡大を促している。

Toss Bankは最近、「見える海外送金」サービスを投入し、後発ながら差別化を図った。

海外送金手数料は3900ウォン(約429円)とし、銀行圏で最低水準を打ち出した。着金スピードも訴求し、EUR、SGD、GBP、HKDは1時間以内、USD、CAD、AUDは最大24時間以内(営業日ベースで1~2日)に受取人の口座へ入金されるよう設計した。

送金プロセスの透明性も高めた。申請から受取人の口座への着金まで全工程をリアルタイムで確認できるようにしたほか、中継銀行などで手数料が差し引かれて追加送金が必要になる事態を避けるため、受取金額を基準に必要な送金額を事前に案内する。単なる送金機能にとどまらず、使い勝手を差別化の軸に据えた格好だ。

ケイバンクは、価格競争力と管理機能の両面を強化している。6月30日まで海外口座送金(SWIFT・ACH)の手数料を一律4000ウォン(約440円)に引き下げ、従来の米国向け送金手数料(8000ウォン)の半額とした。

あわせて、海外送金の履歴や送金可能額を一覧で確認できる機能も提供する。ケイバンク経由の送金額と、他の金融機関分を含む累計送金額を分けて確認できるほか、送金中、完了、取り消し、返還といったステータス別の照会にも対応する。受取人は最大30人まで登録でき、繰り返し送金の利便性を高めた。

KakaoBankは、受取手数料の免除と累計送金額の管理機能で差別化を進めている。2025年7月に海外口座送金の送金手数料を一律4900ウォン(約539円)に引き下げたのに続き、同年10月からは海外送金の受取手数料を条件なしで全額免除した。国内銀行で海外送金の受取手数料を全面免除しているのは、現時点でKakaoBankのみという。

また、海外送金の累計額を集計し、KakaoBank以外の金融機関を通じた送金額まで管理できるようにした。年間の無証憑送金上限である10万ドル(約1500万円)を超えないよう、利用者が把握しやすい仕組みを整えている。

ネット銀行各社に共通するのは、使い勝手を重視する戦略だ。手数料、送金スピード、進捗の可視化を前面に打ち出し、海外送金を単なる金融機能ではなく、関連サービスへの接点を広げる機会と位置付けている。海外送金の利用者は、外貨口座や海外投資など周辺サービスにつながる可能性が高いためだ。

一方、一般の商業銀行は店舗中心の体制を維持しており、海外送金手数料も送金額に応じて細かく設定するケースが多い。ネット銀行との差は大きいという。

韓国銀行によると、海外送金市場の規模は2022年が31億1700万ドル、2023年が34億1500万ドル、2024年が34億5400万ドルだった。市場は拡大が続いており、フィンテック企業の参入も進む中、競争構図は一段と複雑になりそうだ。

金融業界関係者は「手数料の差がほぼ縮小した中で、今後は送金スピードや管理機能、利用プロセスの利便性が、サービス選択を左右する重要な判断材料になる」と話している。

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