15日、ソウル中区の韓国銀行で開かれた記者会見で説明する李昌鏞総裁。写真=韓国銀行

韓国銀行の李昌鏞総裁は15日、政策金利を据え置いた主な理由として為替動向を挙げた。一方で、為替を抑えるためだけに金利を動かす考えは否定し、為替が物価に与える影響を見極めて政策判断を行う方針を示した。

李総裁は同日午前、金融政策方針に関する記者会見で「為替が重要な決定理由だったことは否定できない」と述べた。年末に比べていったん落ち着いたものの、年明け以降は再び1ドル=1400ウォン台半ばから後半の水準となっており、警戒を緩める局面ではないとの認識を示した。

年初からの為替上昇については、「約4分の3はドル高、円安、地政学リスクが要因だ」と説明した。残る4分の1程度は韓国固有の要因によるものだとした。

その上で、個人投資家のドル買いも相場を押し上げる要因になっていると指摘した。為替が一定水準まで下がるたびに個人の大規模なドル買いが繰り返されたとし、2026年1月の個人投資家による海外株投資資金の流出規模は、2025年10~11月と同程度かそれ以上だと述べた。年末に打ち出した需給安定化策については、「全く効果がなかったとまでは言わないが、限界も確認された」との見方を示した。

市場の一部で出ている、為替水準を引き下げるため政策金利を引き上げるべきだとの主張については否定的な立場を示した。李総裁は「6カ月前には、金利を下げないのは遅すぎると言っていたのに、今度は為替が上がったから金利を上げるべきだと言う」と語った。

その上で「韓国銀行の金利政策は為替そのものを見て決めるのではなく、為替が物価に与える影響を見て判断する」と説明した。金利で為替を抑えようとすれば、2~3%ポイントの利上げが必要になり、多くの人が苦しむ可能性があるとも述べた。

高水準の為替が金融危機につながるとの見方についても、李総裁は改めて否定した。「韓国は対外純資産国であり、為替が上がったからといって過去のような金融危機に直結するわけではない」と述べた。外貨建て債務の返済が滞り、企業が破綻した過去の局面とは異なると強調し、「韓国経済が崩壊し、為替が上がり続けるとみるのは行き過ぎた見方だ」と指摘した。

また、半導体産業の見通しについては「AI産業で誰が勝者になったとしても、少なくとも今後1年を見れば、韓国の半導体産業の見通しは良好だ」との認識を示した。

この日の政策金利据え置きは、金融通貨委員会で全会一致で決まった。これまで利下げを求める少数意見を維持してきた申盛煥委員も、今回は立場を変更した。

3カ月先の政策見通しでは、委員6人のうち5人が、3カ月後も政策金利が年2.50%に据え置かれる可能性が高いとの見方を示した。足元の経済環境が当面続く可能性が高いと判断したためだ。

残る1人は、現行水準より低い金利への引き下げ余地も開いておくべきだとの立場を示した。内需の回復基調が弱いことを理由に挙げたという。

李総裁は、不動産市場についても言及した。「政策金利の据え置きだけで不動産景気を完全に抑え込めるとは考えていない。政府の総合的な政策が必要だ」と述べた。首都圏の住宅市場については、ソウルの住宅価格上昇率が年率10%に達する高い水準にあるとし、家計債務への波及を注視する必要があるとの認識を示した。

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