K Bankは1月15日、UAEのデジタル資産企業Changer.ae limited、韓国のブロックチェーン企業BPMGと提携し、韓国とUAEを結ぶデジタル資産ベースの海外送金・決済インフラの構築に乗り出すと発表した。まずはウォン(KRW)とディルハム(AED)間のステーブルコイン送金に関する技術検証(PoC)を進め、両国の規制に対応した送金モデルの確立を目指す。
3社は同日、「韓国とUAE間のデジタル資産およびステーブルコイン送金インフラの構築」に向けた業務協約(MOU)を締結した。デジタル資産を軸に、韓国と中東の金融ハブであるUAEを結ぶ次世代の送金・決済ネットワークを共同開発し、ブロックチェーンを活用した新たな事業機会の創出につなげる狙いだ。
提携では、デジタル資産ベースの海外送金・決済インフラの整備に加え、デジタル資産のカストディ、交換、精算に関する技術・サービス面で協力する。あわせて、デジタル資産を活用した新規ビジネスモデルも共同で推進する方針だ。
最優先課題として取り組むのが、KRW-AED間のステーブルコイン送金PoCだ。韓国の利用者がK Bank口座からウォン資金を送ると、それをステーブルコインに転換し、ブロックチェーン上でUAEへ送金する。現地ではディルハムに換えて精算する仕組みを想定している。
役割分担も明確にした。K Bankは、ウォンの入出金口座の提供と、国内のマネーロンダリング防止(AML)など規制に沿ったウォン精算インフラを担う。Changer.ae limitedは、デジタル資産のカストディ、法定通貨とデジタル資産の交換、ディルハム建ての現地精算を担当する。BPMGはK Bankと連携し、ウォン建てステーブルコインの送金・交換インフラを開発する。
3社は、SWIFTなど従来の国際送金網に比べ、より迅速かつ効率的な送金インフラの構築を目指す。
今回のPoCは単なる技術実証にとどまらない。韓国の特定金融情報法とUAEのデジタル資産規制を同時に満たす、規制対応型モデルの確立に重点を置く。3社は、トラベルルール対応ソリューションの連携、顧客確認(KYC)、不正取引検知(FDS)などの基準も共同で整備する。
主な対象は、韓国とUAEを往来する富裕層やデジタル資産投資家、両国間で取引を行う貿易企業だ。不動産投資、スタートアップの資金調達、輸出入代金の決済などで、既存の金融ネットワークでは解消しきれなかった時間面・コスト面の負担軽減を狙う。
K Bankのチェ・ウヒョン頭取は「Changer.aeとの協力は、K Bankがグローバル市場、とりわけ豊富な流動性を持つ中東の金融市場へ進出するうえで重要な足掛かりになる」とコメントした。そのうえで「銀行の信頼性とブロックチェーンの革新性を結び付け、安全で効率的なデジタル資産ベースのグローバル送金の新たな標準を打ち出したい」と述べた。