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米国が、サイバー安全保障やハイブリッド脅威対策に関わる複数の国際機関からの離脱手続きを進めている。対象は計66機関に上り、国際的な情報共有や共同対応の枠組みに影響が及ぶ可能性がある。

TechzineがComputingの報道として13日(現地時間)に伝えたところによると、トランプ大統領の指示を受け、米政権はこれらの機関を「非効率で、米国の国益に合致しない」と判断し、離脱を決めたという。

今回の措置は、より広範な外交政策見直しの一環と位置付けられている。離脱対象には、European Centre of Excellence for Countering Hybrid Threats、Global Forum on Cyber Expertise、International Law Commissionなどが含まれる。

マルコ・ルビオ国務長官は、これらの機関について「構造的に非効率で、資源の浪費につながっている」と指摘したうえで、米国の主権や自律性と相いれない点が多いと説明した。「評価の結果、参加を続ける理由はもはやない」と述べたという。

一方、サイバーセキュリティ分野の専門家からは、各国のサイバー脅威への対応力が損なわれかねないとの懸念が出ている。デジタル攻撃の高度化と大規模化が進むなか、情報共有や共同対応が弱まれば、国家間の連携が必要な局面で空白が生じる恐れがあるためだ。

米国はこれまで、ランサムウェア組織への対処、外国による選挙介入への対応、大規模なサイバー事故への共同対応などで、国際的なサイバー協力の枠組みの中核を担ってきた。政府機関や情報機関、企業が知見を持ち寄る体制だけに、米国の離脱は技術面の専門性と資金支援の両面で打撃になり得るとの見方もある。

とりわけ、米国が離脱を決めたGlobal Forum on Cyber Expertiseは、サイバー犯罪対策や重要インフラ防護、デジタル能力の強化を議論する協議体で、インターポールやグローバルIT企業も参加している。

Center for Democracy and Technologyの代表、アレクサンドラ・ギブンズ氏は、「今回の決定は、デジタル権利の保護と民主的価値の推進に向けた国際的な協調から、米国がさらに距離を置くシグナルだ」と述べた。

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